福島千里、どん底から見えた光 日本選手権の連覇よりも貴重な経験

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100メートルに続き200メートルでも連覇を逃し、厳しい表情を見せる福島 【写真:アフロ】

 コーナーを抜けたところで、市川華菜(ミズノ)の背中をとらえた。しかしそこから力なく離され、福島千里(札幌陸協)の連覇は、200メートルでも途切れることとなった。

 陸上の第101回日本選手権最終日が25日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われ、女子200メートル決勝では、市川が23秒63(向かい風0.2メートル)で制し、100メートルとの二冠を達成。一方、7連覇を狙った福島は、24秒01で5位に沈み、表彰台も逃した。

100決勝で敗れるも「思い通りに走れた」

100メートル決勝では2位に終わったものの、「思い通りに走れた」と満足げだった 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 前日の100メートル決勝でも市川の後塵を拝し、8連覇を逃した福島。日本選手権で優勝を逃したのは、2010年の200メートル決勝で高橋萌木子に敗れて以来のことだった。

「久々なので、何て言っていいか分からない。『おめでとうございます』というインタビューしか受けてこなかったので……」と悔しさをにじませ、言葉を丁寧に選びながら、記者の質問に応えた。

「悔しくないと言えばうそになるし、受け入れられないわけでもないし、予想していなかったわけでもない。こういうこともいつかは来るし、これで終わりじゃないし、ただ順位がついただけ」

“敗れる覚悟”はどこかに持っていたのかもしれない。ただそのようなネガティブな考えは「余計な部分」と切り捨て、レースにだけ集中。100メートル決勝での走りを、「2番でどうなのと思うところはあるかもしれないですけど、思い通りに走れて、私の中では良かった」と評価した。

 もちろん結果もタイムも物足りないことは本人が一番分かっている。それでも、今シーズン続いていた足のけいれんもなく、決勝を走り切れたことが収穫であり、次へとつながる部分であったと福島自身も強調した。

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