ロッキー川村がリアルジャパンに殴り込み「“虎の目”を持っている奴がここにもいるぜ」

長谷川亮

リアルジャパンに殴り込むロッキー川村は「“虎の目”を持っている奴がここにもいるぜ」と気合十分 【写真:リアルジャパンプロレス】

 リアルジャパンプロレス「初代タイガーマスク黄金伝説2017『LEGEND OF THE GOLD VII』」(6月29日、東京・後楽園ホール)には間もなく改名1年を迎えるロッキー川村が出場、セミファイナルでスーパー・タイガーと対戦する。その異彩を放つキャラクターで注目を集めるロッキーは、そもそもいかにして誕生したのか。ストロングスタイルのリアルジャパンに“アイ・オブ・ザ・タイガー”のロッキーが殴り込む。

師匠みのるの一言で「ロッキー川村」誕生

【写真:リアルジャパンプロレス】

――川村選手は本名の川村亮からロッキー川村に改名して、もうすぐ1年となります。

 まぁ“ロッキーになってから”というか、元からロッキーなんです。背伸びをやめて、あるがままの自分を出したらロッキーになっていたというだけの話であって。根本的に自分が憧れて、自分自身がロッキーだと思っていたから、それをそのまま俺はダイレクトに表現しているだけだっていう。

――では改めて、そうした表現をしていこうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

 それは僕の10周年記念大会の鈴木さんとの試合の後ですね。戦い終わって僕は血まみれでボコボコにされたんですけど、なんかその姿が一瞬ロッキーみたいだなっていう話になって、「お前、そんなに好きだったらロッキーになれよ」って言われて、そこからスタートなんです。やっぱりプロレスでも格闘技でも、何も無かったら生き残っていけないというか、それを鈴木さんは感じていたんじゃないですかね。「お前はまだ本当のお前じゃない」「絶対に“俺はこれだ”っていうのがいずれ出てくる」っていうのをずっと前から言われていました。なのでそれがきっかけというか、自分を出そうと思って。

――では、そこからの1年を振り返っていかがでしょう。

 まだまだ、まだまだですけど、とりあえず外ワクは埋まってきた感じで、ここからさらに1年経ってようやく本当の意味でのロッキーが見せられるんじゃないかという感じがします。これから本当のロッキーの中身を出していけるんじゃないかって。ただ、自分のやりたいことをやっているだけです。何も考えていないし、素の自分を出しているだけっていう。

――ロッキー川村となって以来、出場する団体の幅も広がっていますね。

 だからそれを感じてくれたんじゃないですかね。“何者だ?”感があるんだと思います。でもそれっていうのはやっぱり僕の中で小さい時からずっと培ってきたものだから、ロッキーに関してはただ好きだ、マネしてるっていう訳じゃありません。でも、僕の周りでは「あいつが名乗っているから『ロッキー』をもう一度観てみよう」とか、「観たことがないから観てみよう」と言ってハマったり、そういう反響はよく聞きます。

――それはロッキー選手としては我が意を得たりという感じではないですか。

 もちろん、もちろん。なんといったって「チーム・ランボー」、スタローンを応援するチームとして本人から日本を託されている訳ですから。

――そういえば川村選手は『ランボー/最後の戦場』(2008年公開)のプロモーションに「チーム・ランボー」の一員として参加をし、来日したスタローン本人とも会っているのでしたね。

 “頼んだぞ”ってスタローン本人から託されましたから。

――では、今もスタローンを広める使命・役割を果たしているといいますか。

 もちろん広めたいっていうのはあるんですけど、ただ単純に自分でやりたいことをやっているだけです。

この試合で俺はハングリーな目を取り戻す

【写真:リアルジャパンプロレス】

――では、この1年というのは“自分のやりたいこと”により正直になった1年だったと言いますか。

 そう、だから本当に背伸びをやめた1年でした。頭身大ですね。変に飾ったり、“こうじゃなきゃいけない”っていう小っちゃい固定概念があったから、それがなくなってきたかなっていう感じが自分ではします。あくまで自分の中で、ですけど。

――そういった“ロッキー川村元年”を終えんとする今、今回の対戦が発表された会見では「この試合で俺はハングリーな目を取り戻す、『アイ・オブ・ザ・タイガー』だ。『アイ・オブ・ザ・タイガー』が今回のテーマだ」といった言葉がありました。これについてもう説明をお願いします。

 自分に対してハングリーさを持つっていう再確認だし、スーパー・タイガーに対しても“お前は虎の目を持っているんだろう?”っていう挑発というか、“お互い原点回帰して殴り合おうぜ”っていうメッセージですよね。「あの時のお前はハングリーだった」っていうあの名言の通り。

――でも、それはロッキーの盟友・アポロのセリフですよね(笑)。

 いや、そうなんですけど(笑)。なので、このメッセージはスーパー・タイガーに対してもありますし、リアルジャパンに出ている選手、リアルジャパンに対してでもあります。リアルジャパンに、“本当に虎の目を持っているのか?”って。だから自分自身への問いかけとスーパー・タイガーであったり、リアルジャパンに向けての問いかけです。

――今回はスーパー・タイガーとの対戦になりますが、今後はリアルジャパンでの戦いをどのように見据えていますか。

 会見で大谷チャンピオンが「誰もベルトを獲りにこない」って言っていましたけど、それも含めて“アイ・オブ・ザ・タイガーを持っているのはここにいるぞ”っていうことですよ。まだ億万長者になる前のロッキーがここにいるぜって。

――それでは最後に、ロッキー川村としてリアルジャパンに新たな一歩を刻む今回の試合へ、改めて意気込みをお願いします。

 今回は“虎の目”を持っている奴がここにもいるぜっていうことを見せる試合になると思います。“本当のアイ・オブ・ザ・タイガーは俺だ”というのスーパー・タイガーに見せます。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント