【KNOCK OUT】初のメインイベントを務める不可思 1回戦は「100%で倒しに行く」

長谷川亮

格闘技を知らない人にも「面白い」試合を

1番心がけているのは、格闘技のことをあまり知らない人が見ても面白いと思える試合 【スポーツナビ】

――KNOCK OUTには過去2回出場していずれも第1試合、これをどちらもKOで勝利し、今回はメインイベントにジャンプアップとなります。

 でもKNOCK OUTの第1試合は前座とかそういうのじゃなく、イベントの始まりでエンジンを掛ける、そういう意味で大役だと思ってます。ただ、メインの方がもちろん責任だったりがあるのでプレッシャーはありますけど、自分がメインを務められる自信があるし、決まった時には“よっしゃ!”という気持ちでした。そういうプレッシャーだったりいろいろ考えることはありますけど、今大会でいろんな選手がいる中で“メインをやるなら俺だろう”っていう気持ちがあるぐらいなので、やってやりますよっていう感じです。

――不可思選手は現在11連勝でうち8つがKOと絶好調ですし、メインに選出を受けてもやること・戦いは変わらない?

 そうですね、ただ自分の試合をするだけというか。メインだから戦い方がどうとかっていうのは特にないです。自分はいつも倒しに行くので、今回も倒しに行くだけです。自分が1番心がけているのは、格闘技のことをあまりよく分からない人が見ても「面白い」っていう感覚で、見た人の感情を何でもいいから動かしたいっていうのをいつも思ってます。見た人が「面白い」とか「ヤバい」とか、そう感じさせる試合をするので、お客さんはただ楽しんでほしいです。

――ファイターとして早くからそういう思い、心掛けがあったのですか?

 途中からですね。最初は別にお客さんがどうとかあまり考えていなくて、ただやって勝ち続けてっていうだけだったんですけど、やっぱりプロとしてただ勝ちを重ねるっていうことにはあまり意味がないなと思ったんです。プロなので結果が1番なのは間違いないですけど、勝つだけじゃなくやっぱりお客さんがノレるかどうか、見ている人の感情を動かせるかどうか。最初は今の自分からするとそこまで格闘技に対して本気じゃなかったというか、でもそれが格闘技に懸ければ懸けるほど、ここ3年ぐらいですかね、そういうお客さんからの視点というのも考えるようになってきました。

――では、より格闘技に懸ける気持ちが強くなって、そういう思いも持つようになったと。

 そうですね、やっぱりそういうのをお客さんには感じてもらいたいです。趣味でやっている訳じゃなく、本当に人生を懸けてやっているので。だから試合を見ている人に、それが伝わるような試合を見せないといけないと思ってます。自分がどれだけ懸けているかっていうのを試合でお客さんに感じてもらいたいです。懸けていればそれが感じられる試合ができると思うし、中途半端で懸けていない奴はやっぱりそれを感じさせられないと思います。中途半端にやっている奴は軽いし、本当に懸けている人は勝ち負け関係なしに伝わるものがあると思います。

「今はほんと最高に調子がいい」

1回戦の戦いについては「油断さえしなければまったく問題ない」と必勝宣言。再びKO劇を見せられるか 【写真:中原義史】

――格闘技をあまりよく分からない人が見ても「面白い」、そう思わせる、魅力を伝えるにはやはりノックアウトでしょうか。

 やっぱり分かりやすさが1番じゃないですか。すごい細かいテクニックで競い合ってどっちが勝つかっていう、その面白さというのはもちろんありますけど、結局分かる人にしか分からないものって絶対広がらないじゃないですか。だからなんとなく誘われて来たとか、そんなに興味ないけど呼ばれて何となく行って見たとか、そういう全然知識も興味もなかった人が見て「うわ、スゲぇな」っていうものじゃないと大きくならないし、盛り上がらないと思います。なのでそこは絶対に必要な部分じゃないかと思います。

――「このトーナメントは自分のストーリーにする」といった発言がありましたが、どんな物語を見せてくれますか?

 まず今回の試合でしっかり勝って、不可思がこのトーナメントでどうなっていくのかっていうのをお客さんが追いかけたくなる気持ちにさせたいです。ただ不可思が勝った、誰々が勝った、それで不可思と誰々がやるとかそういう試合だけじゃなく、人として追いかけさせたいと思います。

――そんなトーナメント1回戦の相手は新日本キックの王者・勝次選手となります。

 油断さえしなければまったく問題ないと思ってます。最近は調子がよすぎて、ちょっと余裕をこいてた部分がありました(苦笑)。もう2年以上負けてないので「まぁ、勝つでしょ」みたいな感じで、もちろんそれは自信から来ているんですけど、集中力が欠けて、気が抜け過ぎていたところがありました。でも、今はそういうのを完全になくして、本当に100%で倒しに行きます。今はほんと最高に調子がいいので、やっとKNOCK OUTで本当の実力を見せられると思います。

――では、そんな絶好調で臨む今回の試合に改めて意気込みをお願いします。

 メインで本当に面白いものを見せられると思うので、楽しんでいってください。

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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