甲子園V経験校の女子マネは副主将 悔いのない夏へ、部員を全力サポート

沢井史
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高校球児の兄の活躍で興味

副主将を務める御縞杏架音さん(中央)ら育英野球部を支える3年生の女子マネージャー(左から渡邊蛍さん、御縞さん、中野愛理瑞さん) 【沢井史】

 グラウンドに甲高い声が一層強く響き渡る。ベンチ前から練習を見守るのは女子マネージャーの御縞杏架音(みしま・あかね)さん(3年)。1993年に大村直之(元オリックスほか)らを擁して全国制覇、今夏は17年ぶり7回目の甲子園を目指す兵庫・育英高の女子部員として副キャプテンも務めるチームの支柱でもある。

 4歳上の兄(勇人=現亜細亜大4年・野球部副主将)は育英野球部の1番打者として活躍していた。御縞さんも幼いころから体を動かすことが好きで、中学時代は陸上部に所属。主に短距離を走った。自宅では野球好きな父がプロ野球のテレビ中継をよく見ていたが、当時は野球に興味をあまり示さなかった。だが、兄の躍動する話を聞いていると野球に携わってみたいと思うようになった。

 そんな時、兄のいた育英高が共学になることを知った。「野球部で女子マネは起用するのかな」。父を通して確認をすると、安田聖寛(まさひろ)監督からの返事は「来てもらえるのなら、ぜひ」。どうせなら甲子園を本気で目指せる強豪私学でやりたいと思っていたため、育英高進学を決意した。

部室やベンチの掃除からスタート

 初めての女子部員ということで、自分が全てにおいて女子部員の“先駆者”にならなければならない。

「兄が2人いて、もともと男っぽい性格。男子ばかりの輪の中に入っていくことは抵抗がなかったんです」

  だが……。
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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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