タップリットがG1初制覇!ベルモントS エピカリスら人気馬が出走取消で好機掴む

JRA-VAN

人気馬が次々に出走回避

G1初制覇となったタップリット 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 現地6日10日に米国・ニューヨーク州のベルモントパーク競馬場で、米国三冠の最終戦にあたるG1ベルモントステークス(以下、ベルモントS)が行われ、日、米でともに2番人気に支持されたタップリットが優勝した。

 今年のG1ベルモントSは、三冠初戦のG1ケンタッキーダービーの勝ち馬オールウェイズドリーミング、二冠目のG1プリークネスSを制したクラウドコンピューティングが、5月20日のG1プリークネスS後に相次いで回避を決め、昨年の米最優秀2歳牡馬クラシックエンパイアも右前肢の膿瘍により直前で戦線から離脱して混戦模様に。

 日本調教馬による北米ダートG1初勝利を目指して遠征したエピカリスにも勝利を掴むチャンスが十分に見込めるメンバー構成になったが、そのエピカリスも右前肢ハ行のため、残念ながら出走取消。レース当日に主催者獣医師の馬体検査により、スクラッチ(出走取消)の判断が下された。

馬群3番手から好機を狙ったタップリット

エピカリスは右前肢ハ行のため出走取消に 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 レースは、好スタートを決めた1番人気アイリッシュウォークライと外のミーンタイムが、お互いを牽制するように先行し、コーナーワークでアイリッシュウォークライが先頭に立つ。J.オルティス騎手が押して好位を取りにいったタップリットは馬群3番手の内に収まり、その外にゴームリーとパッチが続いて馬群を形成。ツイステッドトム、ジェイボーイズエコーが差なく追走し、末脚にかけるルッキンアットリー、シニアインベストメント、マルチプライヤーは後方に待機する。前半1200mの通過は1分14秒01。平年よりやや遅いくらいのペースに落ち着いて、先頭から最後尾までおよそ8馬身の間隔に馬群が固まってレースは流れた。

 最終コーナー手前で2番手につけていたミーンタイムが一杯になって脱落し、後続の騎手たちの手も動き始める中、先頭を行くアイリッシュウォークライのR・マラージ騎手はまだ手応え十分。ここまま逃げ切るかと思えたが、3番手のインコースにいたタップリットが一完歩ごとに逃げ馬との差を詰めて、直線半ばで逆転。最後は2着アイリッシュウォークライに2馬身差をつけて勝利を手にした。
 優勝タイムは2分30秒02。さらに5馬身3/4差離れた3着にパッチ(タップリットと同じトッド・プレッチャー厩舎)が続いた。なお、スタート後に最後方にいたハリウッドハンサムは1コーナー付近で前が詰まった際に、F・ジェルー騎手がバランスを崩してアブミから足が外れた状態になり、バックストレッチで競走を中止している。

 タップリットはデビューから5戦目にあたる今年3月11日のG2タンパベイダービー(ダート1700m)に勝利して以来の重賞2勝目で、G1は初制覇。重賞初勝利後は、4月8日のG1ブルーグラスSで5着に敗れ、5月6日のG1ケンタッキーダービーは同じトッド・プレッチャー厩舎のオールウェイズドリーミングから大きく離され6着。三冠2戦目のG1プリークネスSを見送って、ここに備えていた。

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