「秋にはGIへ」デキ文句なしのアストラ 実績馬たちも虎視眈々、エプソムC座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 日曜東京で行われるのはエプソムカップ。昨年こそ重賞勝ち馬同士のワンツー決着だったが、今年は実績馬に加えて、ここから秋への飛躍を期す馬たちも揃っている。優馬TM(トラックマン)陣はどう攻略するのか。

ここで待望の初重賞を 本紙武井はアストラエンブレムを◎に指名

重賞初制覇を目指すアストラエンブレム(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「梅雨に入ると天気や馬場の心配もしなくちゃいけないんだけど、この週末に限っては雨予報がなくて、日曜も良馬場の見込み。となると、実力通りの決着になる可能性も高くなるわけだが、本紙武井は重賞未勝利のアストラエンブレムに◎ときたか」

武井「3歳の春までは馬体減や体質の弱さがネックとなっていましたが、それでいて重賞でも僅差の競馬を続けていたように、早い時期から重賞級の能力を示してましたからね。今回はデビュー以来初めてとなる中2週での競馬になりますが、調教は強化できており、これまでになくしっかりと上積みが見込める状態での出走となるはずです。前走のように直線で気を抜く面も残りますが、多頭数になればその心配もないでしょうし、ここで待望の重賞初制覇と見ます」

小桧山アストラエンブレムの前走は、ありがちなスローの上がり勝負で、2.5キロの斤量差があった勝ち馬をクビ差まで追い詰めたんだから、負けて強しの一言だよ。東京では流れに乗りやすいことも改めて証明できたし、同じ競馬になっても同斤量の今回は負けるわけがないだろ」

山崎「前走は直線でも持ったままで、どんだけ弾けるのか、と思ったほどでしたが、ソラを使ってしまったもの。ただ、それでも33秒1の上がりを使っているわけですからね。武井さんも指摘されたように、なかなか体重が増えずに出世が遅れた馬ですが、ようやく体質も強くなって強い調教もできるようになったのなら、重賞も手中にできると思いますね」

小島アストラエンブレムは、もともとが前走を叩いてここが勝負でしたから、デキに関しては文句なしですよ。今回は前走ほどのスローにはならないでしょうし、デムーロ騎手も気を抜かせないよう工夫をしてくるはずです。“スッキリ勝って、秋には大きいところを取らせたい”と、陣営の鼻息も荒かったですよ」

久光「ただ、その前走のメイステークスで32秒7という最速の上がりをマークしたのがヒストリカルです。内が圧倒的に有利な馬場でのスローというのは、最悪の展開だったように思えましたが、トラックバイアスとは真逆の大外を伸びての数字だけに余計価値がありますね。先行馬が揃った今回は、展開も味方となるはずですし、いろいろな距離を使われているとはいえ、これまで重賞で馬券になった5戦は全て1800mですから、舞台も絶好と言えますよ」

守屋ヒストリカルは、4角大外から、あとは届くか届かないかという極端な競馬しかできませんが、3走前の小倉大賞典では勝ち馬に逃げ切られる中で2着していますし、昨年の毎日王冠でも錚々たるメンバーの中で離れたシンガリから直線だけで3着に追い込んできたのは、まだ記憶に新しいですよね。年齢的な衰えもなく、展開面も向きそうな今年は、直線一気に期待していいはずです」

小野智「今回は、その昨年の毎日王冠で騎乗した横山典騎手ですからね。8歳馬と大ベテランの絶妙のコンビが、何かやってくれそうですよ」

瀬古ヒストリカルは、その8歳という年齢も取り沙汰されるところですが、半兄のカンパニーは8歳の秋にGIを連勝してますからね。息の長い活躍をするどころか、これから最盛期を迎える可能性もあるほどで、ここは5年ぶりの重賞Vも期待できますよ」

佐藤直「ただ、近年の傾向からもハッキリ読み取れることなんだが、エプソムカップは4歳馬のためのレースだと思うんだよ。中でも、マイネルハニーは、すでにこの距離の重賞を勝っていて、東京コースも2勝なら、あとは仕上りだけと言えるんだが、先週のウッドで上がり3ハロン36秒9の超抜時計なら問題ないだろ」

馬場マイネルハニーは、3走前のチャレンジカップ勝ちの内容がとにかく秀逸でしたね。東京で崩れたのは青葉賞とダービーだけですから、コース自体も得意と見ていいですし、大敗後の休み明けで人気は落としそうですが、立て直されて絶好の狙い目だと思いますよ」

板子「同じように休み明けで今回と同舞台だったアイルランドトロフィーの2着も、勝ちに等しいものでしたからね。自分のリズムさえ守って運べれば、ハナでも番手でも力を発揮できる馬ですし、僕も好戦できると判断しました」

デスク「気になるのは展開だよな。同じ脚質のマイネルミラノと競り合うことは、まずないと見ていいんだけど…」

坂倉「他の先行勢の出方も気になるところですが、今回のマイネル勢は、ハニーが逃げてミラノが2番手に控える予定、とのことです。目に見えない疲れと小倉への長距離輸送が応えた前走とは、陣営も“フレッシュな状態で直前の動きも良かった”と、雲泥のデキを強調していますし、久々を割り引く必要はないと思いますが、気になるのは高速馬場への対応でしょうか。ひと雨降れば、大きな追い風となる馬ですが、その可能性も低そうですからね…」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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