故障者が続々復帰…12球団の救世主は!? 上位チームは足場固め、下位は逆転へ

ベースボール・タイムズ

巨人の流れを変えたいFAコンビ

巨人に加入した陽岱鋼(写真中央)は、1軍合流後すぐに活躍を見せている。低迷するチームの起爆剤となるか!? 【写真は共同】

 セ・リーグでは、巨人のFA組が大きな鍵を握る。一人目が陽岱鋼。下半身のコンディション不良で2軍調整が続き、試合自体も3月19日の2軍戦を最後に遠ざかっていたが、ようやく5月30日の3軍戦で実戦復帰。そして6月6日の西武戦で1軍初昇格即「1番・センター」で先発出場し、いきなり先制の2点タイムリーをマーク。間違いなくチームの流れを変えられる男だ。

 もう一人は、先発ローテ入りが期待される山口俊。右肩違和感を訴え、春季キャンプの3軍スタートから開幕後もマイペース調整を続けてきたが、いつまでも悠々としてはいられない。5月18日の実戦復帰から調整登板を経て、6月6日の2軍最終テストで7回3安打1失点の好投を披露。最速150キロもマークし、来週中にも満を持しての新天地デビューとなりそうだ。

沢村賞左腕の復帰で戦いを楽に

昨季の沢村賞投手・ジョンソンが戻れば、広島は今後のシーズンを優位に戦えるだろう 【写真は共同】

 新加入組の復帰でチーム再建を狙う巨人だが、逃げる広島、阪神の2チームにも大きな戦力が戻って来る予定だ。

 首位を走る広島では、沢村賞左腕・ジョンソンが復帰間近。開幕投手を務めた3月31日の阪神戦で黒星を喫すると、4月5日に咽頭炎のために出場選手登録抹消。その後も体調不良が続いたが、5月20日の2軍戦で実戦復帰。以降3度の調整登板を経て6月3日に1軍へ再合流し、同9日からの楽天戦で復帰が見込まれる。ジョンソンが万全ならば、今後の戦い方が一気に楽になるだろう。

 阪神では、昨年7月に左アキレス腱を断裂した西岡剛が復帰へ向けて調整を続けている。5月30日の2軍戦に「4番・DH」で314日ぶりに実戦復帰。そこから3戦連続ヒットをマークすると、今月9日からは守備にも就く予定だ。1軍合流は交流戦終了後を想定。西岡の状態次第では、阪神内野陣が再シャッフルされることになるだろうが、それを起爆剤にできるかどうか。

巨漢の新助っ人が“ヤ戦病院”を救う!?

ヤクルトの新外国人・グリーンはその風貌もあって、すでにファンの心をつかみつつある 【写真は共同】

 3位の横浜DeNAでは、開幕投手を務めた石田健大が、登板4試合目で初白星を飾った直後に左ひじの違和感を訴えて登録抹消。5月28日の2軍戦で実戦復帰を果たし、1軍復帰へ向けて調整を続けている。ひと足先に復帰予定の三嶋一輝とともに苦しい先発投手陣を助けたい。

 中日ではドラフト1位ルーキー・柳裕也に期待だ。即戦力右腕として春季キャンプから1軍に帯同したが、3月2日のオープン戦で右ひじに張りを訴えて戦線離脱。リハビリ、2軍調整登板を経て、5月23日に1軍デビュー。6月3日のプロ初先発は6回4失点で黒星を喫したが、まだまだチャンスは与えられるはずだ。

 そして最下位の東京ヤクルトには、今年も故障者が続出している。2月中旬に椎間板ヘルニアを発症した川端慎吾、4月中旬に左ふくらはぎ肉離れを発症した畠山和洋に加え、今季9試合で4勝2敗、防御率2.35と好調だった小川泰弘も左内腹斜筋の肉離れで5月28日に登録抹消となった。その中で自らの故障と外国人枠の影響で2軍暮らしが続いていた新外国人のグリーンが、6月4日の西武戦で1軍デビューを飾り、いきなり猛打賞の活躍を披露した。193センチ115キロの巨漢を誇る助っ人は、果たして救世主になれるのか。

2/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント