故障者が続々復帰…12球団の救世主は!? 上位チームは足場固め、下位は逆転へ

ベースボール・タイムズ

日本ハム・大谷は実戦復帰まで時間を要する見込み 【写真は共同】

 シーズン開幕から早2カ月が過ぎ、セ・パ交流戦も中盤戦に突入した。パ・リーグでは東北楽天を福岡ソフトバンクが追いかける形。セ・リーグでは広島、阪神の2チームが抜け出している。しかし、まだシーズンは半分以上を残しており、下位チームの逆転も十分にあり得る。「故障者の戦列復帰」が続く中、救世主となり得る男たちを探したい。

オリックスは主砲復帰で再浮上

 パ・リーグで、故障者復帰を足掛かりに早くも上昇気流に乗ったのがオリックスだ。5月に6勝19敗と急失速したが、交流戦は6連勝の好スタート。その大きな理由に挙げられるのが、主砲・ロメロの復帰だ。4月に4試合連発をマークするなど、来日1年目ですぐさま打線の軸となった。4月22日に左ひざを痛めて離脱したが、交流戦開始と同時に戦列復帰を果たすと、打線の中で大きな存在感を放ってチームを蘇らせた。

昨季はルーキーながら鮮烈な印象を与えたオリックス・吉田正。その打棒を1軍で見られる日を待ちたい 【写真は共同】

 さらにオリックスにはもう一人、昨季10本塁打を放った吉田正尚が控える。開幕直前の3月22日に腰痛を発症。以降2軍調整が続いている。5月10日の2軍戦で実戦復帰すると、第1打席の初球でいきなり本塁打を放ったが、翌日に患部の張りを訴えて1軍昇格は白紙に。現状、復帰の時期は未定だが、規格外のパンチ力を持つ男が戻ってくればチームはさらに勢いに乗るはずだ。

気になる大谷の復帰は!?

 最下位に低迷する千葉ロッテには、角中勝也が戻って来た。右わき腹を痛めて4月12日の試合を最後に欠場していたが、5月23日に「4番・DH」で33試合ぶりに復帰。以降、打線の得点力がアップして、チーム状態は確実に上向いた。サントスに続いてペーニャの獲得も決定したが、昨季首位打者が復帰した意味が何よりも大きい。

 3位の埼玉西武では、森友哉の復帰が待たれる。3月5日のWBC強化試合・キューバ代表戦で死球を受けて左ひじを骨折。手術は回避してリハビリを続けている森は、順調に行けば交流戦終了後の復帰が見込まれ、今以上の強力打線が完成する。

 そして北海道日本ハムでは、やはり大谷翔平の動向が鍵を握る。4月8日に左太もも肉離れを発症。当初は試合復帰まで4週間程度と言われたが、それが6週間、8週間とずれ込み、ついに2カ月を過ぎようとしている。すでに屋外でのフリー打撃で快音を残し、ダッシュも再開した模様だが、実戦復帰まではまだ時間を要する見込み。交流戦中の1軍復帰は絶望的で、少なくとも投手としての登板は後半戦以降が現実的だ。

2人の右腕が首位争いを盛り上げる

WBCでも先発を務めたソフトバンク・武田の復帰はまもなくだ 【写真は共同】

 上位2チームでは、2人の投手に注目が集まる。2位のソフトバンクでは、昨季14勝を挙げた武田翔太が、右肩炎症からの復帰へ向けて急ピッチで調整中。6月3日の2軍戦で約1カ月ぶりの実戦登板を果たし、3回を1安打1失点。次週の登板を経て、早ければ交流戦最後のカードとなる広島戦(16〜18日)にも復帰できる見込みだ。昨季の勝ち頭である和田毅が左ひじ手術、ドラフト1位の田中正義、復活が待たれる松坂大輔にもメドが付かない中、WBC右腕の奮起が待たれる。

 首位・楽天では、安楽智大に期待したいところ。高卒3年目の今季は先発ローテ入りが内定していた大型右腕だが、開幕直前に右太もも裏を痛めて離脱。5月3日の実戦復帰から徐々に投球イニングを増やしてきたが、登板4試合で結果を残せずに1軍復帰は先送りとなっている。梅雨の到来、連戦が続く中で先発陣は確実に疲弊する。高卒ルーキー・藤平尚真の1軍デビューも待たれるが、まずは“先輩”の安楽が結果を残すべきだろう。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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