インディ500初挑戦のアロンソの存在感 参戦成功で再び挑戦する日は近い!?

motorsport.com Japan

トラブルがなければ初挑戦初優勝も!?

F1モナコGP、ル・マン24時間レース、インディ500の世界三大レースを制することが目標のアロンソ。十分な可能性を感じさせる走りを見せたアロンソは再びインディ500にカムバックすることを明言している 【LAT】

 アロンソのインディ500初挑戦は、ここに終了した。総合順位24位、リードラップ計27周という成績だった。

 今年のアンドレッティ・オートスポートは、レースを通じで圧倒的な速さと強さを見せた。それは、一時1〜4位を独占したことから見ても明らかであり、優勝したのはチームメートの佐藤。アロンソと佐藤は、レースを通じて似たようなポジションを走行していた。つまり、アロンソにトラブルが発生しなければ、初挑戦初優勝に挑むのも十分可能だった。

 アロンソがインディ500への挑戦を表明した際、賛否両論いずれの声も聞かれた。しかし今回のレース内容は、十二分に彼の才能を証明し、インディ500参戦という決断が間違っていなかったという証であろう。

 レース後のアロンソは、次のように語った。

「レースにフィニッシュできなかったのは、とても残念だ」

「この2週間は、素晴らしい経験だった。僕は自分自身を証明し、自分自身に挑戦するためにここに来た」

 アロンソの目標は、F1モナコGP、ル・マン24時間レース、そしてインディ500の世界三大レースを制することにある。歴史上この3つのレースを制したことのあるドライバーは、グラハム・ヒルただひとりのみ。アロンソはまだモナコGPを制しただけであるものの、2人目の偉業達成を目指し、渡米したのだ。しかし、今回リタイアに終わったこと、”二冠”達成はお預けとなった。

 アロンソは、再びインディ500に戻ってくると宣言している。

「インディ500に勝利するという目標は、まだ完了していない」

「僕がここに戻ってくることになれば、その時は(インディで)どんなことが起きるのか知っている。リスタートも、ピットストップも、そしてその他のことも、初めて経験するモノではなくなっているだろう」

「だから、適応するのはより簡単になるはずだ。数年後に何が起きるか、見てみようじゃないか」

閉鎖的なF1に風穴を開ける第一歩に

 マクラーレンF1のエクゼクティブ・ディレクターであるザク・ブラウンも、アロンソのインディ500“カムバック”の可能性を認めた。

「彼をF1チームに留めることが最優先だ」

 そう前置きしながらも、ブラウンは次のように語った。

「彼はいつかまた戻ってくるだろう。それが何年後になるかは分からないがね。彼は三冠を獲るのが目標だと言っていた。彼は戻ってくると、私は思う」

 初挑戦にもかかわらず、インディ500でもトップクラスの活躍を見せたアロンソ。その才能を再認識させられた一戦だったばかりでなく、今年のインディ500はF1ファンをインディに、またインディファンをF1に、それぞれ近付けた一戦だったと言っても間違いないだろう。

 また、これを機にインディ500参戦を検討するF1ドライバーが、2人3人と出てきても、決して不思議ではない。近年ではインディ500に参戦する現役F1ドライバーは皆無だった。また、ニコ・ヒュルケンベルグの例を除き、ル・マン24時間に参戦するF1ドライバーもほとんどいなかった。

 F1チームは、自らのチームのドライバーが怪我などのリスクに巻き込まれることを避けるため、閉鎖的な組織になっていた。これに風穴が開けられ、各ドライバーが自由に他のカテゴリーのレースにも出ることができるようになる……アロンソのインディ500への参戦”成功”が、その第一歩となるかもしれない。

 アロンソが”忘れ物”を取りに再びインディにやってくるのは、いつのことなのだろうか!?

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