インディ500初挑戦のアロンソの存在感 参戦成功で再び挑戦する日は近い!?

motorsport.com Japan

インディ500初挑戦で24位に終わりながらも、その才能は十分に発揮したアロンソ 【LAT】

 佐藤琢磨の優勝に、日本中のモータースポーツファンが湧いた今年のインディ500。しかし彼と同様に、フェルナンド・アロンソもイベントを大いに盛り上げたひとりだった。

“ジョーク”から始まったというアロンソのインディ500初挑戦。結果は、エンジントラブルにより200周レースの180周目にストップし、24位。しかし、十二分にその存在感を印象付けた。

決勝前には自信が溢れ出るコメント

 アロンソは現地時間5月3日に自身初めてのオーバルコースの走行を経験した。その時の印象についてアロンソは「右足が別の意志を持っているみたいで、全開にすることができなかった」と、その速さに衝撃を受けたことを示唆していた。

 しかし5月15日からインディ500の公式セッションが始まると、日を追うごとに速さを増していく。その適応力の高さに関係者は一様に称賛。スコット・ディクソンが「彼にも十分勝ち目がある」と語れば、彼の指南役を務めるジル・ド・フェランも「まだまだ大幅にタイムは向上する」と太鼓判を押した。佐藤琢磨も「とても印象的です」と評していた。

 予選日には、アロンソの速さにはさらに磨きがかかっていく。初日は7位に入ってポールポジションを狙う権利を有するポールデイ“ファスト9”への進出を果たすと、そのファスト9ではオーバーブーストのために一瞬パワーを失う苦境がありながらも5位。チームメートの佐藤琢磨と並び、セカンドロウから決勝レースをスタートすることとなった。

 アロンソは予選後に次のように語っていた。

「問題がなければ、スコット(ディクソン)と同じような位置に上がれたはず。しかし、ファスト9に出走する権利を得てしまえば、その後どのポジションからスタートすることになっても、それほど変わらない」

 勝利への自信が溢れ出るような、そんなコメントだった。

エンジントラブルでリタイア

 そして迎えた決勝日の朝、アロンソは自分の代役としてF1モナコGPに参戦するジェンソン・バトンを電話で激励。バトンも無線を介してジョークで応じた。その声から判断するに、アロンソは非常にリラックスして決勝を迎えたように感じられた。

 その決勝でも、アロンソの速さにさらに磨きがかかった。スタートこそうまくいかずに後退したものの、その後は着実に順位を上げ、37周目には昨年勝者のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ−ハータ・オートスポート)をオーバーテイクし、初めて首位に浮上。ピットインも、リスタートも、そしてバックマーカーの処理も、とても初挑戦とは思えぬ安定性を見せ、終始上位を争っていく。

 しかしレースの折り返し地点となる100周を過ぎた頃から、ホンダエンジン搭載車にトラブルが続く。

 まず137周目にライアン・ハンター−レイ(アンドレッティ・オートスポート)のエンジンがブロー。166周目にはチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)にも同じようなトラブルが発生し、マシンを止めた。

 実は前戦インディアナポリスGP(インディアナポリス・モータースピードウェイのインフィールドセクションを使って行われるレース)からインディ500にかけ、ホンダエンジンにはトラブルが多発していた。しかしこの開発と供給を手がけるホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)は、その根本的な原因を解明できないまま、インディ500決勝日を迎えていたのだ。実際にアロンソも、予選ポールデイの午前中にエンジントラブルに見舞われ、エンジンを載せ替えている。

 そして決勝でも、アロンソのマシンをトラブルが襲う。179周目のメインストレートでアロンソのエンジンは音を上げ、白煙を上げながら180周目のターン1イン側にマシンを止めた。アロンソは、トラブルの兆候を数週前から感じていたようだが、対処する術はなかった。

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