広島連覇への道は交流戦から始まる!? OB山内泰幸氏に今後の展望を聞く

ベースボール・タイムズ

今季のシーズン途中から4番に定着した鈴木。好調・広島をけん引している 【写真は共同】

 昨季25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島。リーグ連覇、日本一を目指す今季は、交流戦前最後の巨人戦で3連勝し、首位で交流戦を迎えることになった。

 昨季は交流戦終盤からの11連勝で独走態勢を築いたが、今季もその再現はあるのか。ここまでの戦いぶりと今後の展望を1995年から2014年まで選手、コーチとして広島に所属し、現在は野球解説者の山内泰幸氏に聞いた。

好調打線を引っ張る新4番の存在

 交流戦前までの成績は29勝19敗1分けで、2位・阪神と1ゲーム差の首位。開幕直後の10連勝から、その後は2度の同一カード3連敗など不安定な戦いが続いたが、貯金10は昨季の同時期(29勝23敗1分け)を上回る成績だ。

「ジョンソン、中崎翔太と先発とリリーフの軸が早い時期で離脱したにもかかわらず、この成績は打撃陣によるところが大きい。オープン戦では貧打が続いて心配したが、菊池涼介、田中広輔、鈴木誠也のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)組が戻ってきて、公式戦に入ると全く違った姿を見せてくれた。エルドレッドも、オープン戦では一番状態が悪かったが、始まってみれば現在は打撃3部門でいずれも上位につけ、打線を引っ張る存在になっている」

 昨季、大ブレークを果たした鈴木は、今年も三冠王を狙える成績で、チーム待望の和製4番打者の地位を築きつつある。

「WBCではあまり出場機会がなかったが、鈴木は日本代表クラスの選手たちと積極的に話をして、技術的な事も聞いていたという。彼には自分をさらに進化させたいという貪欲な気持ちがある。当初は新井(貴浩)が欠場する試合で4番に入っていたが、そこで結果を出して、現在では緒方(孝市)監督が『もう4番目の打者ではない』と認めたように、不動の4番に定着しつつある。開幕当初は、調子自体はあまり良くないようにも見えたが、その中で数字を残せたのは一段レベルが上がった証拠ではないか」

心配される投手陣の与四球の多さ

開幕投手となったジョンソンの離脱などがあり、好調な打撃陣と比べて、投手陣の台所事情はやや苦しい 【写真は共同】

“リーグ最強”と称される打撃陣に対して、投手陣はチーム防御率がリーグ4位と振るわない。山内氏はその問題点は、先発陣にあると指摘する。

「投手陣の誤算は、やはりジョンソンに尽きる。開幕戦で雨の中、低い気温も影響したのか、咽頭(いんとう)炎で長期離脱を余儀なくされてしまった。これで先発陣に狂いが生じた。4月はドラフト1位の加藤拓也、3位の床田寛樹などのルーキーが頑張ったが、ともに故障や不調で離脱した。先発投手の駒が早い時期で足りなくなり、長いイニングを投げられる投手が少なくなったことで、リリーフに負担がかかるようになった。薮田和樹や中田廉などが、同点やビハインドの場面でいい投球をしてきたが、徐々に疲れも見えるようになった。一番安定していた野村祐輔も離脱したことで、先発陣はかなり苦しい状況になった」

 チーム防御率(3.56)もさることながら、山内氏が危惧するのはリーグワーストの与四球数(191)だという。

「今季は“逆転のカープ”とも言われるが、裏を返せば先に点を取られているということ。投手陣の不調の要因は、四球の数に表れている。それが技術的なものか、精神的なものか、あらためて投手陣全体で、原因は何かを判断して修正していくべき。技術的なことは修正できるが、精神的に逃げの気持ちで出す四球は絶対に避けなければならない。それは自分が投手コーチをやっていた時代から、ずっとやってきていること」

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著者プロフィール

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プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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