悲運の助っ人左腕に竜党の同情票が集中!?

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ヤクルトと中日の下位球団が白星伸ばす

5月17日の阪神戦で8回2失点で完投負けのバルデス 【写真は共同】

 各地で真夏日が記録された日本列島。今回は5月16日から21日までのプロ野球を振り返る。セ・リーグでは、阪神(3勝3敗)、広島(2勝4敗)、巨人(3勝3敗)の上位陣が貯金を増やせない中、東京ヤクルト、中日がともに4勝2敗と勝ち越しに成功。ヤクルトでは由規が完全復活を印象付ける投球で6年ぶりの巨人戦勝利を挙げ、中日も吉見が今季7度目の先発でようやくながら今季初勝利をマーク。最下位の中日が昨季王者の広島から3連勝するなど、上位と下位の差が縮まった1週間だった。
 
 パ・リーグでは、埼玉西武が好調をキープ。秋山翔吾、源田壮亮の1・2番が機能した中で打線が得点を重ね、先々週から続いた連勝を6にまで伸ばし、福岡ソフトバンクとの3連戦も2勝1敗と勝ち越しに成功した。また、出遅れていた北海道日本ハムもオリックス相手に3連勝して同率4位に浮上。対照的に首位・東北楽天は千葉ロッテにサヨナラ負けで今季初のカード負け越し。セ・リーグ同様に、ペナントレースの流れが変わりそうな気配が漂った。

前週のトップ10

 さて、5月16〜21日でもっともファンの支持を集めた選手は誰なのか? スポーツナビが運営するアプリ「スポナビ プロ野球速報」で実施している「みんなのMVP」。ユーザーが設定したお気に入りチームから勝敗に関係なく、各試合でもっとも活躍した選手に投票し、その試合のMVPを決める。両リーグ合わせての得票率週間トップ10は下記の通りとなった。

1位:5月17日 バルデス(中) 84.6%
2位:5月17日 由規(ヤ) 83.3%
3位:5月20日 二木 康太(ロ) 81.2%
4位:5月17日 ウィーランド(D) 80%
5位:5月16日 野村 祐輔(広) 77.1%
6位:5月21日 鈴木 大地(ロ) 74.4%
7位:5月20日 又吉 克樹(中) 72%
8位:5月21日 茂木 栄五郎(楽) 72%
9位:5月16日 ウィーラー(楽) 70.9%
10位:5月16日 京田 陽太(中) 69.5%

6年ぶりのG倒果たした元最速右腕

 得票率トップに立ったのは、完封勝利を飾った左腕でも、サヨナラ弾を放った前主将や4番でもなく、敗戦投手となった中日の助っ人左腕、バルデスだった。5月17日の阪神戦(甲子園)で8回3安打の好投も“完投負け”。これで今季9試合に先発し、計62回2/3イニングを投げて自責点14。全9試合でクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成して防御率2.01という好成績を残しながら、味方打線からの援護率1.67で、手にした白星は4月23日の横浜DeNA戦で挙げた1勝のみという“悲運”ぶりだ。1977年11月27日、キューバ生まれの来日3年目。「前厄」に当たる年齢ではあるが、日本の風習がどこまで影響しているのか…。

 続いて2位には、由規がランクイン。5月17日の巨人戦(東京ドーム)に先発し、150キロ台のストレートを連発するとともに効果的に変化球を織り交ぜ、7回を2安打無失点の快投劇。2010年に当時の日本人投手最速161キロを計測した男が、右肩痛、手術を乗り越え、2011年9月3日以来2082日ぶりの巨人戦勝利。燕党にとっては感涙の夜となった。
 
 その他では、東北楽天・美馬との白熱の投手戦を演じたロッテ・二木康太、同じく白星は付かなかったが6回5安打無失点と好投したDeNAのウィーランド、7回5安打1失点(自責0)で今季3勝目を挙げた広島・野村祐輔に続き、5月21日の楽天戦でサヨナラ打を放ったロッテの鈴木大地がランクイン。

 一方、好調の西武勢では、21日の試合でサヨナラ本塁打を放った栗山巧が得票率67.8%で13位止まり。チーム全体の調子が良かったが故に多くの選手に票が分かれる結果となった。

(テキスト:ベースボール・タイムズ)
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