【ZONE】“ラウェイサムライ”金子大輝の相手は“賞金首” タイトル挑戦へ「ガムシャラに勝利をつかみ取る」

長谷川亮

“ラウェイ最強戦士”を倒したルククに挑む金子

タイトル挑戦をめざし“ラウェイ最強戦士”を倒したルククに挑む金子(右) 【長谷川亮】

 キックボクシング「ZONE6」(5月21日、東京・東京タワーメディアセンター)でミャンマーラウェイマッチに出場する金子大輝の相手がルクク・ダリ(コンゴ)に決定。2日、会場となる東京タワーメディアセンターで対戦の調印式が行われた。

 日本の道場で練習を積むルククは「DEEP」や「GRACHAN」といったMMA大会に出場。柔道をベースにアフリカ・ジュニア王者に輝き、コンゴ代表に選ばれた実績も持つ。そして何より、昨年7月に参戦した巌流島でルククは“ラウェイ最強戦士”と言われるトゥントゥンミンをパウンドで撃破(1R)。ルールが異なるとはいえ最強戦士の敗北はミャンマー国内で衝撃を持って受け止められた。

 これにより現地で賞金首状態となったルククだが、この首を狩らんと名乗りを上げたのがラウェイの王者を目指す金子。ウェルター級(=約77kg)でMMAを戦うルククと、これまで66kg付近でラウェイの試合に臨んできた金子では体重差があるが、金子の希望とルククが挑戦を受諾したことにより今回の対戦が決定となった。

階級を越えたラウェイの新たな領域へ

【長谷川亮】

 ZONE小林聡代表もマッチメイクの経緯を「金子からぜひラウェイために戦いたいとありましたが、しかしながら2人は体重が違うので、大変悩みましたし批判も十分承知の上です。金子は体重が上でもどうしてもやりたい、ルクク選手もなるべく体重を近づけるということで2人の勇気ある決断にこちらもよしやろうということになり、決まったからにはこちらも期待がありますし、周りからの反響もいいので間違っていなかったと思っています」と話し、「体重差があるのでレフェリーも厳重に、いい試合になって事故がないよう、こちらも挑みたいと思います」とZONEとしてラウェイの新たな領域に踏み込む決意を語った。

金子「一方的に殴って心を折ります」

約10キロの体重差も「男らしく、ガムシャラに勝利をつかみ取る姿を見てほしい」と金子 【長谷川亮】

 現地のジムで修行を積み、“ラウェイサムライ”としてミャンマーで人気を博す金子は「しっかり男らしく、体重差をものともせず、ガムシャラに勝利をつかみ取る姿を見てほしい」とラウェイファイターとしての矜持を示し、「一方的に殴って心を折ります」と勝利を宣言。賞金首のルククを下しアピールすることで、ラウェイのタイトル挑戦を見据えている。

 一方ルククはこれが初のラウェイマッチとなるが、体格差が生む余裕からか「金子が挑戦してきた勇気は認めるが、彼もトゥントゥンミンのようになるだろう。ミャンマーからの情報ではトゥントゥンミンはケガをしているとの話だが、本当にケガをしているのか。俺から逃げているんじゃないか? 金子戦の次はミャンマーに乗り込んでトゥントゥンミンだ。ネクスト、トゥントゥンミン」と息巻いた。

 しかし金子はこれに「俺とやる前にトゥントゥンミン選手のことを考えているんだったら甘い」と食ってかかり、「見てる人が誰も見たことがないような試合になると思う。小よく大を制する試合、“こんなデカい奴になんであんなにビビらないで殴っていけるんだろう”っていう試合になると思います」と、体重・体格差を前にしても全く引く構えはなかった。

 試合は両者の体重差をラウェイでの上限となる5坩米發砲さめて行われる(金子は71圈▲襯クは76圓鰺縦蝓法6盪劼蓮崑僚添垢箜級差、ルールだったりそういうのを超越した何かがある」と一流ラウェイファイターの強さを評するが、自身の勝利をもってその強さを得ることができるのか。本場ミャンマーも注目する国際戦に、ラウェイのリベンジを懸け挑む。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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