OBが語る楽天快進撃の理由とは? 梨田監督の3度目“2年目V”へ根拠あり

ベースボール・タイムズ

「我慢強さ」とコミュニケーション

長打力のあるペゲーロが2番に座り、破壊力のある打線が出来上がった 【写真は共同】

――改めて梨田監督はどういった特徴のある監督でしょうか?

 ひと言で言うと「我慢強い」でしょうね。就任1年目に選手を観察して、能力を把握することに徹して、勝つことを我慢することもそうですし、外国人を我慢強く使っていることもそうでしょう。今季もウィーラー、アマダーに結果が出ない中でも使い続けている。その前に普通なら今年のオフに新しい助っ人を取ってきたはずです。他の現場の意見もあったのでしょうけど、ペゲーロも含めてよく我慢してチームに残した。それを可能にしているのは、いろんな選手にチャンスを与えた去年1年間がありますし、選手ともうまくコミュニケーションを取れていると思います。

――5月はオリックスとの首位攻防戦から始まりましたが、今後の戦いの中でどういった部分がポイントになるでしょうか?

 4月は6連戦が1度もなく、日程に恵まれた面もあると思います。でも5月からは6連戦が始まるので先発投手が6枚必要ですし、野手陣も休む時がなくなる。嶋が故障しましたけど、これ以上、主力の離脱者をなくすことも大切になる。でもまずは6人の先発投手がしっかりとゲームを作ること。先発が崩れれば、リリーフ陣にもしわ寄せが来ますからね。厳しくなる日程の中での先発投手の働きがカギになると思います。安楽(智大)がそろそろ戻ってくるでしょうし、まだまだ楽しみはあります。

――その中で梨田監督の2年目ジンクスにあやかりたいところです。

 過去2度、就任2年目に優勝した実績があるだけに、選手もファンも絶対にそれを意識しますし、その気になる。それに梨田監督は近鉄の時も日本ハムの時も、すごく選手に恵まれている。チームの世代交代の中で一番良い時期に、ちょうど監督になっている。そういう運も持っていると思います。でもそれも実力のうち。周りをその気にさせることができれば、さらに勢いに乗ることができるはずです。

――13年の優勝から4年が経ちました。あの歓喜をもう一度、という欲求も高まっていると思いますが?

 実際に球場に応援に来てくれるファンの方も今年は多いですし、いろいろ聞くと、街中でもイーグルスの帽子を被っている人やグッズを持っている人が増えています。地元のテレビ視聴率もすごく高くて、普通に20パーセントを超えているようです。注目度も期待度も高い。再び“楽天バブル”が起きようとしています。僕自身も非常に楽しみです。

(取材・文:三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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