WBCの影響はある!? 開幕1カ月、出場選手の成績を振り返る

ベースボール・タイムズ

≪投手≫菅野はさすがの成績

WBCでは先発の一角を担った石川だが、シーズンでは本調子が出ず2軍調整中 【写真は共同】

 WBCの影響が顕著な野手陣に対し、WBC組の投手陣の4月終了時点での成績は【表2】の通りだ。先発とリリーフに分けたが、WBCでの投球回、成績に関わらず、多くの投手が“普段通り”の成績を収めている。

【表2】WBC参加選手の投手成績 【ベースボール・タイムズ】

 特に目立つのは、日本のエースとして3試合に先発して奮闘した菅野智之(巨人)の働きぶり。4月4日の今季初登板で7回1失点の白星スタートを飾ると、続く同11日の広島戦では6回途中5失点で勝敗付かずも、その後の2試合で連続完封勝利を飾り、3勝&防御率1.76の好成績を収めている。

 その他、WBC期間中には調子の上がらなかった藤浪晋太郎(阪神)や起用法に戸惑った則本昂大(東北楽天)もペナントレースでは順調な滑り出し。WBCでベストナインに選ばれた千賀滉大(ソフトバンク)は初登板で4回7失点と炎上したが、その後の3試合で3連勝を飾って大きく持ち直した。また、リリーフ陣では松井裕樹(楽天)が絶好調。無失点記録は途絶えたが、開幕から守護神として16試合に登板して10セーブ&防御率0.53と絶対的な安定感を示して首位快走のチームを支えている。

 その一方で石川歩(千葉ロッテ)が開幕3連敗。制球が乱れて炎上を繰り返し、最優秀防御率のタイトルを獲得した昨季の姿は見る影もなく、4月19日に1軍登録を抹消された。また、WBC期間中に右肘を痛めたスアレスは(ソフトバンク)は復帰まで約1年の大けが。武田翔太(ソフトバンク)は右肩の違和感で戦列を離れ、岡田俊哉(中日)も不振のために3週間にわたる2軍調整を経てようやく1軍に復帰したばかりだ。

 不振にあえぐ投手はいる。だが、経験豊富な牧田和久(西武)がしっかりと結果を残していることからも、その原因をWBCの影響とするのは適切ではないだろう。特に先発投手においては、ペナントレース開幕後も登板間隔が空くために調整、修正する時間がある。そう考えると各投手の調整力の差が、この1カ月の成績に反映されているのかもしれない。

(三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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