WBCの影響はある!? 開幕1カ月、出場選手の成績を振り返る

ベースボール・タイムズ

坂本はWBCの勢いそのままセ・リーグ3位の打率を残している 【写真は共同】

 3月31日のペナントレース開幕から1カ月が過ぎたが、その中で注目されてきたのが3月に開催されたWBCの影響である。疲労、調整不足、ボールの違いなど、さまざまな“後遺症”が指摘されるが、実際のところどこまで各選手の成績に影響があったのかを改めて整理したい。

≪打者≫打率3割超は4選手のみ

 まずは野手陣。4月終了時点での日本のプロ野球(NPB)に所属するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)参加選手の成績は【表1】の通り。

【表1】WBC参加選手の打撃成績 【ベースボール・タイムズ】

 打率3割を超えているのは内川聖一(福岡ソフトバンク)、秋山翔吾(埼玉西武)、坂本勇人(巨人)、鈴木誠也(広島)の4人。世界の舞台での手応えと興奮をそのままペナントレースへとつなげている。開幕直後は不振に陥っていた秋山も4月21日からの9試合で5本塁打を放つなど調子を急激に上げてきた。

 その一方、それ以外の選手は打率2割台で、助っ人勢も含めて低打率に苦しむ選手も多い。筒香嘉智(横浜DeNA)は打率こそ2割7分5厘に上げてきたが、本塁打は4月27日に放った1本のみ。

 WBCでラッキーボーイとなった小林誠司(巨人)は、魔法が解けたようにすっかり元通り。打率は規定打席に達している打者では最低の1割5分3厘と低迷している。

 深刻なのは、中田翔(北海道日本ハム)、松田宣浩(ソフトバンク)、山田哲人(東京ヤクルト)の3人。中田はケガで離脱した影響があり、松田も4月30日にようやく今季1号弾を放って復活を宣言したが、成績上はまだまだ「後遺症」の真っ只中だ。

 WBC大会中の成績と並べてみると、WBCで多くの打点、本塁打をマークした選手が低迷している傾向にある。技術的な狂いもあるだろうが、国を背負った戦いの中で高い集中力を発揮した分、一時的に“燃え尽きた”という指摘も当てはまる。坂本を除く打率3割超えの3人(内川、秋山、鈴木)はWBCでは控え組の扱いで出番が少なかったことで“消耗していない”という点も、やはり見逃せない。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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