オリックス新人・黒木優太が躍進中! 背番号「54」に込めた2つの意味

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背番号『54』を背負い、強気のピッチングで1年目からセットアッパーを任されている黒木 【写真:BBM】

 投球スタイルを参考にする同じ名字の元千葉ロッテ・黒木知宏が現役時代に背負った「54」を着け「とにかく名前を覚えてほしい」と話すオリックス・黒木優太。“強気の投球”を掲げ、セットアッパーとしてチームの好調を支えている。

 最速153キロの直球を主体に強気の投球でアピールを重ね、開幕1軍を手にした。そして、任されたのは8回のマウンドだ。臆することなくプロの舞台で躍動するドラフト2位ルーキー。そんな右腕が背負う背番号『54』には身上である“気持ちの投球”が隠されている。

「向かっていく気持ちに波はない」

――1年目のシーズンが始まりました。プロのマウンドに上がってみて、いかがですか?

 この場所(プロ)を目指してやってきたので、「本当にプロになれたんだ」という喜びが大きいですね。任せられているイニングがイニングなので責任感もありますし。任せていただいた監督、コーチに対しての感謝の気持ちが強いです。

――試合後には「楽しめて投げている」と常々言っています。

 本当に楽しんでやれています。プロの空気にのまれるんじゃなくて。自分が今までテレビで見てきた打者と1対1で対戦できるので、どんな場合も楽しんでいます。

――不安はない?

 不安よりも、今は自分自身が小さくならずに向かっていく気持ちでやっていければいいと思っています。シーズンは長いので、好不調の波はあると思う。でも、相手に向かっていく気持ちに波はないので、そこを大切にしていけば、結果もついてくると思うんです。

――背番号は自ら「54」を選びました。『気持ちを前面に出す』投球スタイルを参考にしている同じ名字の黒木知宏投手(現北海道日本ハムコーチ)と同じ番号です。

「気持ちを前面に投げる」という面で黒木さんにあこがれていますし、共通する部分も多い。その思いで背番号を決めたこともあります。でも、もう1つ意味があって。

――もう1つ?

 プロになったのに、自分の名前を覚えてもらえないのがイヤだったんです。だから少しでも覚えてもらう方法はないかなと考えて。それで「54」を選んだんです。それに、この背番号を背負っているんだから、打者に向かっていかなきゃいけないと思わされるんですよね。

――その思いはプロでも1年目から貫いていく。

 もちろんです。それにルーキー扱いされるのがイヤ。「1年目なのにこんなに投げさせて」とか言われるのが本当にイヤなんです。だからどんどん使ってもらいたい。どんどん試合で投げていきたいと思っています。

開幕での初登板も「試合を楽しめました」

開幕戦の延長10回にプロ初登板して無失点。強気の投球の根底には「後悔したくない」という思いがある 【写真=佐藤真一】

――立正大時代は先発、抑えで登板していましたが、現在は試合展開に応じての中継ぎ。ブルペンでの準備など、難しさも感じているのでは。

 特に感じていません。そういう所を先輩たちが教えてくれるんです。平野(佳寿)さんや海田(智行)さんが「今日は少し投げ過ぎ」とか言ってくれるので助かっています。それに、ブルペンで自分が(マウンドに)行くとなったら、自然と気持ちが入る。「よし!」っと。

――ブルペンを出るときにスイッチが入る。

 ブルペンで投げ始めたときからですね。体を動かしていないと、いろいろ考えてしまうんですよ。

――プロ初登板は東北楽天との開幕戦(京セラドーム)。それも、同点で迎えた延長10回のマウンドでした。あの場面も、いつもどおりスイッチが入ったのでしょうか。

 そうですね。あんな良い場面でのプロ初登板で、気持ちも高ぶっていましたし、使ってもらったことに感謝しかなかったので、緊張せずにマウンドに行けました。かと言って、余裕があり過ぎたわけではなく、ベストな状態で試合を楽しめました。

――4月18日の日本ハム戦(草薙)では2死一、二塁の場面で田中賢介選手を相手に10球すべて直球勝負で空振り三振。掲げる「強気の投球」を象徴していました。

 あれは結果オーライの部分もあります。逆球(5球目)もありましたし。三振に取れたのは良かったですけど、まだまだです。

――とは言え、三振を取ったあとはガッツポーズも出ましたね。

 気持ちは入っていましたからね。思わず出てしまったという感じです(笑)。

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