「東京五輪期待の星」が新エースへ名乗り フォーム改造で復活、自信を得た鈴木祐貴=バレー
新たなフォームで「見える景色が変わった」
長江コーチの提案により、フォームの改善に取り組んだ(写真は2014年) 【坂本清】
映像を見ながら、肘の角度や体の使い方など細かなアドバイスを受けながら取り組んだ結果、変化の兆しがあらわれたのは昨年末のインカレ後だったと鈴木は言う。
「コートの奥やストレート、ブロックアウトを狙った通りに取れるようになったし、フォームを変えてから打てるコースの幅が広くなりました。しっかりたたけている感覚もあって、それからは見える景色が変わりました」
フォーム改造と並行して、東海大の学生トレーナーに指導を受けながらトレーニングにも力を入れた。「短距離や中距離を走るのは得意だけれど、全体的に弱い」と自身も揶揄(やゆ)するように、まだまだ体の線も細い。ただ重い器具を持って負荷をかけるのではなく、器具は軽くして回数を増やしたり、膝を曲げる角度を深くして負荷を高めることでけがをしない体を作り、筋量も増えた。
“憧れ”の選手たちを“ライバル”と呼べるように
鈴木はシニアの代表にも選出されている(写真は2015年) 【坂本清】
「もともと高い能力を持っていた選手でした。でもそこにプラスして一生懸命練習して、取り組んできたことが結果につながった。成長を遂げて、ようやく一歩を踏み出した。日本バレー界の未来も明るいと思います」
今年2月に行われたU−23代表のキューバ遠征でも、「思っていたより出番もあって、ここに打てば決まるという手応えもつかめた」と語るように、自身の感覚だけでなく、試合での結果につながっていることも鈴木にとって大きな自信となっているのは間違いない。
「東京オリンピックは大きな目標です。石川さんや柳田(将洋)さんのように、高過ぎる存在がたくさんいるので、まだまだこれから。大学でも試合に出られるチャンスをもらえている以上、最大限に生かして、チャンスで相手ブロックを吹っ飛ばせるようなスパイクが決められる選手になりたいです」
今はまだ“憧れ”の選手たちを“ライバル”と呼べるように。201センチの大器が、東京五輪のエースへ名乗りを上げる。