【新日本プロレス】ファレがオカダをツームストン葬 LIJがタグチジャパンに快勝

高木裕美

ファレがオカダのお株を奪うツームストンでKOし、前哨戦に勝利した 【写真:前島康人】

 新日本プロレス「Road to レスリングどんたく2017」開幕戦となる22日の東京・後楽園ホール大会では、超満員札止めとなる1689人を動員。GW最大のビッグマッチ5.3福岡国際センター大会へ向けての前哨戦などが行われた。

 メインイベントでは、オカダ・カズチカ&石井智宏組vs.バッドラック・ファレ&ケニー・オメガ組が激突。5.3福岡でIWGPヘビー級王座を争うオカダとファレ、スペシャルシングルを行う石井とオメガのダブル前哨戦となったが、まさかのバッドエンドに、福岡決戦に向けて暗雲がたちこめた。

ファレのツームストンに会場も騒然

ファレの全体重が乗り、オカダの頭がマットにめり込む 【写真:前島康人】

 福岡までの前哨戦で、相手にダメージを蓄積させることを狙いとするバレットクラブは、オカダ、石井に見境なく、荒々しいファイトを展開。ファレは150キロを超える巨体で石井にのしかかり、抜き取った腰のベルトをムチのように振り回す。オメガも2人まとめて低空ドロップキック、コタロークラッシャーを敢行。オメガはVトリガーから片翼の天使を狙うも、これは石井が切り返して逆にラリアットを放つ。ファレはオカダのレインメーカーをグラネードで切り返すと、両手を広げてアピールしてから、初公開のツームストンパイルドライバーでオカダの首をマットにめりこませ、3カウントを奪い取った。

 試合後もファレの攻撃の手は止まらず、オカダにグラネードを炸裂すると、石井もジャンピングボディープレスで圧殺。リング上に横たわる2人を尻目に、ファレのIWGP王座戴冠を予告したオメガが「グッドバイ・アンド・グッドナイト」と投げキッスを連発して、大会を締めた。

 王者・オカダが完膚なきまでに叩きのめされる結末に場内は騒然。また、怪物・ファレがあえてツームストンというオカダが得意とする技を解禁したことから、さらなる隠し玉の投入もありそうだ。

タグチJ、監督采配ずばりもLIJが圧倒

ヒロムはリコシェの人形を持ち出して挑発 【写真:前島康人】

 セミファイナルは、タグチジャパンのジュース・ロビンソン&棚橋弘至&田口隆祐&リコシェ&ヨシタツ組vs.ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也&SANADA&EVIL&BUSHI&高橋ヒロム組による10人タッグ戦。4.29大分でIWGPインターコンチネンタル王座を賭けて戦う内藤とジュースをはじめ、一騎打ちを控えた棚橋とEVIL、IWGPジュニア王座戦で争うヒロムとリコシェが敵意ムキ出しでぶつかり合った。

 5.3福岡でのNEVER無差別級6人タッグ王座前哨戦でもあるこの戦い。まずはタグチジャパンが円陣を組むと見せかけて先制攻撃を仕掛けると、早くも内藤を標的にローリング式のトレイン攻撃。田口監督の采配がズバリと決まる。棚橋はEVILとSANADAに2人まとめてドラゴンスクリュー。リコシェはヒロム&BUSHIの連係攻撃を切り返し、誤爆を誘う頭脳プレー。スリリングな攻防が続く中、タグチジャパンにスタッフとして加入したヨシタツが、SANADAのSkull Endに力尽き、LIJに軍配が上がった。

 試合後も棚橋とEVILはにらみ合いを展開。一方、ヒロムは「ヒロム」「リコシェ」と名前が書かれた2体の人形を見せ付けて挑戦者を挑発。だが、内藤はジュースには興味ないとばかりにレフェリーにスライディングキックをかますと、マットに寝転がってポーズ。また、SANADAは解説席に座るミラノコレクションA.Tさんの目の前で田口にパラダイスロックを仕掛けるなど、制御不能な暴れっぷりを見せた。

みのる軍は勝利ならず若手に八つ当たり

みのるは後藤に怒りをぶつける 【写真:前島康人】

 4.27広島でのNEVER無差別級王座戦&IWGPジュニアタッグ戦のダブル前哨戦となった、後藤洋央紀&ウィル・オスプレイ&ロッキー・ロメロ&バレッタ組vs.鈴木みのる&金丸義信&タイチ&エル・デスペラード組による8人タッグ戦では、鈴木軍が奇襲攻撃。みのるは後藤に鉄柵攻撃を見舞うと、記者席のテーブルを使って後藤の腕をロック。さらにはオスプレイにもイスを使ったヒザ攻めを見舞う。

 しかし、後藤もデスペラードにショートレンジ牛殺しを見舞うと、みのるには村正、バックドロップ、ショルダータックル。しかし、みのるもヒールホールドで捕獲すると、ロープブレークを無視してなおも締め上げ続けた上、さらに顔面蹴り、サッカーボールキック、アキレス腱固め。後藤も牛殺しを繰り出すも、ヒザのダメージも大きく悶絶してしまう。試合終盤、六本木ヴァイスが金丸&タイチへ同時にトペスイシーダ。チームが分断される間に、オスプレイがデスペラードをコークスクリューキックからのオスカッターで仕留めた。

 敗れたみのるは例のごとく、新日本の若手選手に八つ当たり。“お宝”総獲りに向け、勝ち星ではなく怒りをチャージした。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント