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羽生、今季を終え「今スケートが楽しい」
宇野は来季へ意気込み「攻め続けたい」

 フィギュアスケートの国別対抗戦に出場した男子シングルの羽生結弦(ANA)と宇野昌磨(中京大)が22日、フリーの演技から一夜明けて取材に応じ、それぞれ今季を振り返った。

 以下は、羽生と宇野のコメント。

羽生、来季構成は「大きく変える予定はない」

22日、公式練習に登場した羽生。前日までに男子のショート、フリーを終えて、リラックスした表情を見せた
22日、公式練習に登場した羽生。前日までに男子のショート、フリーを終えて、リラックスした表情を見せた【Photo:YUTAKA/アフロスポーツ】

――今大会も含めて今シーズンを振り返ってほしい。


 よくよく考えてみると2カ月間、何もできない時期があって、こうやって最終的には、この大会のフリーで自分が目指してきた完成形の演技をできたことは収穫だったと思います。この大会で得たこととしては、久しぶりにすごく難しいことに挑戦している自分がいて、こうやりたい、ああやりたいということを試合でできて楽しかったなというのが、五輪前に収穫になったんじゃないかと思います。


――来季の構成については?


 大きく変える予定はありません。何よりこの構成でショート、フリーと通せていないので、多くの4回転を跳ばなければいけないし、コンビネーションも工夫をしていかないといけないかもしれないですけど、その上でGOE(技の出来栄え点)と、プログラムのまとまりと、何より自分自身が表現したいプログラムを表現していきたいので、そういう意味では今シーズン挑戦してきたからこそ、またより良い形にしていきたいと思います。


――来シーズンは羽生選手のスケート人生において、どのような位置付けになるのか?


 ずっと考えていたのは、来シーズンは(前回の)ソチ五輪と同じかもしれないですけど、スケート人生の集大成になるんじゃないかと思っていたんですよ。そう言おうと思っていたんですけど、でもよくよく考えてみたら、どんな試合でも、今までのスケート人生の中で、いっぱい練習してきて、いろいろな経験と練習が詰まった試合になっているので、言ってみれば今回の試合も集大成になっているのかなと思います。だから、何も気持ちは変わらないです。ただひたすら練習と体調管理と気をつけて、自分がしたいスケートをしっかりやって、また試合に向けて一歩ずつ進んでいければいいんじゃないかと思います。


――「集大成」と言おうと思ったのに、考えが変わったきっかけは?


 世界選手権ですかね。世界選手権が僕の今シーズンの集大成であると考えていました。その結果として、ショートで5位発進になってしまって、そのあとにフリーに行く前までに、いろいろ振り返ってみたら、一度としてこれが通過点なんて思った試合はなかったなということに気が付いて……。そういうことを考えていたら、今回の試合もそうでしたけど、今できる全力、今までの練習、いろいろなことを考えながら集大成として滑ることができたんじゃないかと思います。

今季を終えて、充実感をにじませた羽生
今季を終えて、充実感をにじませた羽生【Photo:YUTAKA/アフロスポーツ】

――以前、ベストの演技ができるうちにプロに行きたいと言っていた。今すごく試合がハイレベルになって、面白い展開がある中で、そのへんの気持ちはどう変わっている?


 今回はすごくしんどいなと思いました(笑)。世界選手権のときとは違ったしんどさと言うか、苦しさと言うか、「なんで練習してきていることはこんなに実を結ばないんだろうな」という気持ちに駆られてはいました。やっぱりこれだけみんな難しいことをやって、なおかつ難しいことをやりながらまとめなければいけないというハイレベルな戦いだからこそ、練習がすごく楽しいし、モチベーションも高くなっていく。引退とか関係なしに今スケートが楽しいです。


――自分の一番の武器はトリプルアクセルと言っていた。4回転ジャンプとトリプルアクセルのバランスをどう考える?


 まず4回転の話をさせていただくと、もともと世界最高得点を更新したのはショートですけど、そのときのショートで何が一番良かったかと言うと、たぶん4回転トウループのGOEの高さと、トリプルアクセルの完成度の高さというところで、点数を稼げていたと思うんですね。そう考えてみると、僕は4回転トウループに助けられていることが多くあって、そのトウループでGOEを稼ぐことは大事ですし、トウループをきれいに跳ぶことが大事だとも感じています。今回の後半のトウループは2本目は少し苦しかったんですけど、1発目に関しては前半のトウループと同じくらいの質で跳ぶことができていて、複雑なステップから入っているわけではないですけど、GOEで2点から3点の評価をつけていただける自分の手応えもあったトウループができています。そういう意味ではアクセルだけに絞っていく必要もないかなという感覚もあります。


 ただ、アクセルに懸ける思いというのは、たぶん皆さんが想像する以上の思いがあって、何よりも僕がここまでスケートを好きになったのはアクセルのおかげです。アクセルがなかったら全日本ノービスでも優勝できなかったし、こんなに自信を持ってスケートをすることができなかったかもしれないので、やっぱりアクセルは外したくないなという思いがあります。


――四大陸のフリーで何か新しいものが見えた気がするが?


 自分の中では四大陸で後半にトウループを2本入れるまでは、構成は考えていたんですけど、やっぱりできるとは思っていなかったです。あれで試合でできるという自信がついたからこそ、いろいろな選択肢が増えたと思うし、練習の仕方も考え方も、後半のトウループへの考え方もだいぶ楽に、自信を持ってできるようになったんじゃないかと思います。


――宇野選手の存在は、どう刺激になっている?


 頼もしいです。すごく仲良しですし、ノービスでもジュニアでも一緒に試合をやってきて、何よりも彼が頑張っていることを知っている1人なので、彼の頑張りがこうやって実を結んできてうれしいなと思うし、彼が跳んでいるジャンプや、彼しか持っていない表現の仕方とか、目の使い方とか、体の動かし方とか、そういうもの1つ1つを僕も学んでいって、僕の武器も伸ばしていけたらなという存在です。


――今後さらに難しい構成を目指していくのか、それとも時には勝つことに徹して現実的な選択をすることもあるのか?


 世界選手権のフリーの前にも考えたんですよ。僕自身もループを跳び始めて、難しい構成にしなければという気持ちもあったと思います。それはブライアン(・オーサーコーチ)とも相談して、この構成にしてきましたけど、思い返してみると僕は難しいジャンプを跳ぶタイプではなかったですし、どちらかと言うとしっかりきれいなジャンプを跳んで、表現もしっかりして、スピンもきちんとやって、プログラムを作るスケーターなので。今日の練習で4回転ルッツもやりましたけど、そういうのを頑張るんじゃなくて、表現したいこと、自分が気持ちよく跳べるものを増やしていくほうがいいんじゃないかと感じています。


 もちろん難しいことは好きですし、そういうことにはケガのリスクがつきまとっていることも分かっています。ただ、僕がスケートを始めて、好きになったきっかけというのは、スケートは非日常的なもので、スケートでしか味わえないものがあって、その1つがジャンプ。そのジャンプの難しさや達成感にどんどん惹かれていったので、やっぱりルッツの練習やフリップの練習をやるのは楽しいです。



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