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インディ500に挑む“新人”アロンソの勇気
今宮純のF1ザ・ショウダウン

F1テストより濃密な走行スケジュール

2016年のインディ500でルーキーとして勝利をあげた元F1ドライバーのアレクサンダー・ロッシ
2016年のインディ500でルーキーとして勝利をあげた元F1ドライバーのアレクサンダー・ロッシ【LAT】

 この特別なイベントには、ほかのレースにはない特別なスケジュールがある。15日の午後12時から6時間の“フリー走行”が始まり、19日まで5日間でおよそ30時間、レース前これだけ走れるのはインディ500だけだ。


 20日と21日に予選、翌22日にも6時間のフリー走行が設けられ、本番2日前の26日に最後の90分セッションがある。そこでは通常、各チームがチームメート同士集団のままトラフィックを想定し、超高速戦での“エアロ・チェック”を行う。ダウンフォースやタービュランスの影響を確認、多数エントリ―するチームはより実戦に近いシミュレーションが可能だ。


 今回アロンソともう一人を加えるアンドレッティは6台体制。相互補完することによってデータ収集の効率を高めるに違いない。ちなみにこれまで佐藤琢磨は少数エントリー・チームにいてそうしたデータの不足に悩み、いわば孤軍奮闘しなければならなかった。

 アロンソがいきなりインディ500に挑戦するのは無謀なことだと、「F1発想的」な見方がヨーロッパ側にある。そう言い切れない理由が事前の濃密スケジュールを知れば分かるだろう。


 1人が4日間ずつの合同テストだけで開幕戦に向かうF1より、はるかに走りこんで本番に臨める。今年序盤のマクラーレン・ホンダの状況にくらべたら事前準備期間はたっぷり、現場エンジニアと日々対話もできる。チームメートの佐藤らとフレンドリーに情報交換、アンドレッティ代表は昨年ロッシをコーチングした以上にF1王者の“ルーキー”に接するだろう。


 モナコGPではドライビングの精密力、ル・マン24時間ではフィジカルな持久力、インディ500ではその両方と冷静な判断力が求められる。これまで3大レースを現場取材してきた1人としてそう思う。


 アロンソにはこの3つがルイス・ハミルトンやセバスチャン・ベッテル、マックス・フェルスタッペンよりバランスよく備わっている。なにより言えるのは我慢強い性格であること、800キロを1人で走りぬく間には必ず何かが起こる。それを受け入れ、くじけず3時間以上ピークを保つのだ。F1の3倍近いインディ500は人生行路みたいに長い。F1王者として冒険に向かうレーサーの勇気、60年代に成し得たジム・クラークがだぶる――。

F1速報
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