FC東京の大久保嘉人がクラシコを語る 「日本は戦う姿勢やずる賢さを学ぶべき」

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今季からFC東京に加入した大久保嘉人。クラシコの思い出や日本サッカーへの思いを語った 【写真提供:WOWOW】

 2004年11月にセレッソ大阪からマジョルカに移籍し、リーガ・エスパニョーラで約1年半プレーした大久保嘉人。4月23日(現地時間)に迫るクラシコ(伝統の一戦)を前に、レアル・マドリーやバルセロナと対戦した経験から、当時の思い出を語る。

 また、今シーズンから川崎フロンターレからFC東京に新天地を求めた大久保がチームの課題や日本サッカーへの思いを語るとともに、Jリーグや日本代表のレベルアップにつながるヒントも示してくれた。

FC東京はアトレティコみたいに戦うべき

古巣・川崎との「多摩川クラシコ」でプレーした大久保(左) 【(C)J.LEAGUE PHOTOS】

――Jリーグのキックオフカンファレンスで「FC東京はアトレティコ・マドリーみたいに戦うべきだ」という発言をされていましたが、その理由は?

 以前からFC東京がアトレティコみたいに走って、攻守の切り替えやカウンターを目指しているように見えたので、アトレティコを目指すのがいいのかなと思いました。

――大久保選手がスペインでプレーしているころは負けが多かったアトレティコが、11年にディエゴ・シメオネ監督が来てから強いチームになりました。シメオネ監督にはどんな印象がありますか

 選手の持っていき方がすごくうまいと思います。レフェリーに対してもそうですが、選手の代わりに言ったり、観客を煽るようなジェスチャーをしたり、そういう面が選手にすごく響いていると思います。選手と一緒に戦ってくれている。テレビを見ていてもそう思いますね。

――大久保選手は「多摩川クラシコ」(FC東京と川崎の一戦)を両方のチームで経験したわけですが、いかがでしたか?

 今回(3月18日のJ1第4節)は、これまでとは逆のチームに入ってのプレーでしたが、普通に盛り上がっていますね(笑)。

――バルセロナからレアル・マドリーに移籍したルイス・フィーゴのように、スペインだったら大変なことになっていると思いますが。

 そのあたりはさすがに日本ですよね。フィーゴのようにはならないだろうというのはありましたし、逆にそうなってくれれば非常に楽しいですが(笑)。まだ歴史の浅い「多摩川クラシコ」ではそうならないので、自分なりに楽しめました。

――試合中、大久保選手が他の選手にハッパを掛けたり、戦う集団にしようとしているのが分かります。

 チームに入って思ったのが、戦うという感覚がゼロに近く、ただ「試合をやる」「試合をこなす」という感じでした。どこにボールを動かすか、どこに行ったらいいのかが全く頭で分かっていない感じで、それを伝えながら今はやっています。

銀河系軍団は威圧感があって大きく感じた

サンティアゴ・ベルナベウで“銀河系軍団”と戦った大久保。レアル・マドリーの選手は威圧感があって大きく感じたという 【写真:ロイター/アフロ】

――本家のクラシコが近づいてきました。04−05シーズン、リーガ・エスパニョーラ第20節で、後半18分からサンティアゴ・ベルナベウのピッチに立ちましたが、その時はどうでした?

 レアル・マドリーの選手はみんな大きく感じました。あの当時は“銀河系軍団”と言われていて、スタジアムもそうですけれど、威圧感があったといいますか、グラウンドに足を踏み入れた時は、やはり鳥肌が立ちましたね。

――ピッチサイドでアップしている時の心境はどうでした?

 早く使ってほしいという気持ちと、出たらもうガンガンいってやろうという気持ちでした。不安は全然なかったです。怖いものはなかったので、ダメだったらダメで悔しいだろうし、だから自分が思っているプレーをしたいと決めていました。

――その試合で一番印象に残った選手は?

 FWのロナウド(ブラジル)ですね。身体もちょっと横に大きい選手でしたけれど、スピードが本当に速かったですし、ディフェンス3人に囲まれてもボールを取られなかったので、本当にすごいと思いました。この選手は止められないと思いました。

――今、監督をしているジネディーヌ・ジダンはどうでしたか?

 うまかったですね。身長も高くて手足も長いし、それでしなやかなプレーをするので、ディフェンスからすると取りにいくタイミングがないと思いました。

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