【リアルジャパン】王者・大谷、“噛み合う試合”はお断り「片時も目をそらせない緊張感ある戦いに」

長谷川亮

27日の後楽園ホールで、レジェンド王座をかけて戦う王者・大谷(左)と挑戦者スーパー・タイガー 【写真:チナスキー】

 リアルジャパンプロレス「初代タイガーマスク黄金伝説 2017『LEGEND OF THE GOLD 此戞廖複慣遑横憩?東京・後楽園ホール)の記者会見が18日、都内・リアルジャパン本部で行われた。

 第11代レジェンド王者・大谷晋二郎にスーパー・タイガーが挑むレジェンド王座戦がメインとなる今大会だが、会見には両選手が出席。9日後に迫った決戦へ向け、前哨戦とばかりに火花を散らした。

 昨年9月に王座を奪取し、すでに2度の防衛を成し遂げている大谷を初代タイガーは「いま日本で一番いい試合をする、一番強い選手でストロングスタイルのかなめになる選手」と高評価。挑む立場の愛弟子スーパー・タイガーには「どこまでやれるか、プロレスラーとしてしっかり一流どころに入っていけるのかどうか。勝つことができればかなりの実績になる」と期待を掛けた。

「相思相愛」のベルトは「僕の下から離れない」

大谷は「相思相愛」のベルトを大事に肩に抱く 【写真:チナスキー】

 すでに同王座を2度防衛している大谷は「メチャクチャしっくりきている」というベルトを肩に堂々の入場。

「スーパー・タイガー選手は佐山(聡)先生の一番弟子と聞いています。やっと佐山先生の弟子を送り込んできたなと。もしかしたら僕がベルトを獲った時、佐山先生はすぐ誰かが獲り返すだろうって思ったのかもしれません。でも、ここに来てヤバいぞと。このままじゃベルトを獲り返せない、それで満を持してスーパー・タイガー選手を指名してきたのではないかと僕の中では勝手に思っています」

 そう話す大谷だがベルトと自分は「相思相愛」の関係であるといい、「佐山先生のどんな要望があろうと、このベルトは僕の下から離れない。自信を持って今回のタイトルマッチに挑みたいと思います」と片時もベルトから手を放すことなく意気込みを語った。

 この試合を見届ける初代タイガーは「必ずリアルジャパンが打ち出した方針に則った、すごくいい試合になると思います」と2人に大きな信頼を寄せるが、大谷はこれに「噛み合う試合、いい試合をやる気はまったくないです」と持論を展開。「噛み合って『いい試合だった』で終わるような試合はこのリングで絶対やっちゃいけないと僕は思っています。“噛み合う試合”ではなく、緊張感が溢れて片時も目をそらすことができない雰囲気が漂う試合、ヘタをしたら1分で終わってしまうんじゃないかという緊張感ある試合をスーパー・タイガー選手とならできるんじゃないかという気がします」と、自身のストロングスタイル観にも繋がるコメントを続けた。

スーパー・タイガーも「一撃必殺で挑む」

スーパー・タイガーも「一撃必殺」狙いで、3度目の戴冠を目指す 【写真:チナスキー】

 大谷の熱を帯びた話を受けスーパー・タイガーも「僕自身も噛み合う試合や上手いプロレス、そういったものをやるつもりもないですし、やはり切れ味鋭い刀を常日頃この道場で磨いています。お客様に媚びを売るような戦いを見せる気はないし、1分1秒、いつ何時終わるか分からない、一撃必殺の部分をしっかり持って戦いに挑みたい」と、こちらもやはりストロングスタイルでの戦いを誓った。

 3月末に行われた会見では初代タイガーがスーパーの蹴りに“殺人キック”と太鼓判を押したが、大谷は「それがどんなキックか分かりませんが、そのキックを打ち込んだ時がもしかしたら彼が一番恐れる大谷晋二郎が出る時じゃないですか」と反撃。「僕の必殺技は何度でも立ち上がること。スーパー・タイガー選手が自信を持って放った蹴りで仮に倒されても、そこでゾンビのように起き上がってくる大谷晋二郎を見て、恐怖を感じるんじゃないですかね」と不気味に言い放った。

 しかしスーパーも「仕上がりは自分のこの10年の中で最高の形ができています。ちょうど先月末のキャプチャー地下室マッチで現パンクラス王者のロッキー川村選手を相手に試し斬りもしていますので、この蹴りに関しては絶対的な自信を持っています」と返し、一歩も引かない。

 はたしてレジェンド王座史上初、3度目となる戴冠を目指すスーパーが大谷を蹴り倒すのか、あるいは大谷が相思相愛のベルトを守り抜くのか。

故・桜井康夫さんへの追悼試合に

メインは故・桜井康夫さんへの追悼試合になる 【写真:チナスキー】

 また、この試合は今月亡くなったプロレス解説者・桜井康夫さんの追悼試合として行うことを初代タイガーが発表。20カウントを行うなどの構想があり、「実況中継でも悪い試合をやった時は『タイガーは今日は調子が悪い』とすごく的確に言ってくれる方」と思い出を語り、故人を偲んだ。

 なお、石川雄規とタッグを結成し船木誠勝&関本大介組と対戦する予定であった曙だが、右足の蜂窩織炎と感染症により今大会を欠場。石川のタッグパートナーはおって発表となる。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント