【全日本プロレス】2年ぶりCC出場の諏訪魔が石川に辛勝 昨年Vの関本が復活ドーリングに完敗

高木裕美

チャンピオンカーニバルが開幕。諏訪魔は石川修司に勝利し、白星発進 【写真:前島康人】

 全日本プロレスの春の祭典「2017 チャンピオン・カーニバル 〜旗揚げ45周年記念シリーズ〜」(CC)が16日、東京・後楽園ホールで開幕し、超満員札止めとなる1588人を動員。この日より、1.2後楽園大会の新春バトルロイヤルで右足のカカトを骨折し、長期欠場していた和田京平レフェリーも約3カ月ぶりに復帰し、会場は興奮と歓声に包まれた。

諏訪魔、CC初参戦の石川に「またやりたい」

パワーファイター同士のぶつかり合いは諏訪魔が制す 【写真:前島康人】

 メインイベントでは、2年ぶりのCC出場となる諏訪魔が、“怪物”石川修司に辛勝。08年以来9年ぶりの優勝へ大きな一歩を踏み出した。

 CC初出場となる石川だが、昨年は大日本プロレスの「一騎当千」で優勝し、DDTプロレスリングのKO−D無差別級王座も戴冠するなど、シングル戦線で活躍。全日本の“強さの象徴”である諏訪魔に対しても物怖じすることなく、場外で鉄柵に振ると、すかさずフットスタンプ。さらに豪快なミサイルキック、頭突き。これで額から流血した諏訪魔だが、石川の猛攻にひるむことなく、強烈なドロップキックでコーナーまで吹っ飛ばすと、ラリアット、ジャーマンスープレックスとたたみかけ、さらにラストライド、バックドロップで振り切った。

 シングル初対決となった石川について「強い。またやりたい。これだけ面白い相手がいたんだね」と、再戦を熱望した諏訪魔。「この初戦を突破したんで、自分がどこまで通用するか試してみたい」と、まだまだトップを突っ走る覚悟を激白し、「独特の緊張感のある厳しいリーグ戦だけど、雑音のない戦いが一番」と、前シリーズは“邪道”大仁田厚にさんざん振り回された反動か、今シリーズは目の前の戦いに集中し、そこで結果を出すと決意表明した。

完敗の前年覇者・関本「人種の差を感じたのは初めて」

ドーリングは前年覇者の関本に勝利 【写真:前島康人】

 セミファイナルでは、悪性脳腫瘍からの完全復活を目指すジョー・ドーリングが、昨年度覇者の関本大介を粉砕。ド迫力の肉弾戦に客席がどよめいた。

 関本は対格差をモノともせず、力比べで圧倒すると、場外へ落としてトペスイシーダ。さらにアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げ、ジャーマンスープレックスも決めるが、カウント2。ドーリングがボディーアタックから豪快なレボリューションボムでマットに叩きつけ、3カウントを奪い取った。

 優勝トロフィー返還の華々しい舞台からわずか2時間後に、屈辱の完敗を喫した関本は、「まったく歯が立たなかった。これほど人種の差を感じたことは初めて」とドーリングの圧倒的パワーに脱帽。それでも、「今日は負けから始まりましたが、ドン底から這い上がります!」と巻き返しを誓った。

三冠王者・宮原は同僚のジェイクに快勝

ジェイクとのパートナー対決を制した宮原 【写真:前島康人】

 三冠ヘビー級王者の宮原健斗は、ジェイク・リーとのパートナー対決を接戦で制し、辛くも白星スタートを切った。

 伸び盛りのジェイクは、三冠王者相手に序盤から猛ラッシュ。宮原も火がつき、復帰したばかりの和田京平レフェリーが制止をかけるほど、場外戦でヒートアップする。なおもジェイクは宮原の鉄柱への誤爆を誘い、ランニングキック、高角度のバックドロップであわやという場面を作り出す。しかし、宮原はブラックアウトで流れを引き寄せると、ジャーマンスープレックス、シャットダウン式ジャーマンスープレックスの攻勢でトドメをさした。

「仲間じゃない、ライバル」とパートナーの実力を認めた宮原は、「2017年で全日本の記録、記憶のすべてをこのオレが塗り替える。主役になるために優勝者の称号、必ず獲る!」と、01年の天龍源一郎以来、16年ぶりとなる三冠チャンピオンとしてのCC優勝へ絶対的な自信をみなぎらせた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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