イチロー、メジャー17年目の起用法 開幕戦出番なしも変わらぬ準備
チームメートの度肝抜くフリー打撃
メジャー17年目の開幕を迎えたイチロー 【写真は共同】
チームは10時半過ぎからグラウンドでストレッチ。続けて打撃練習を行い、3組目のイチローは最初、軽くスイングしながら左方向へ合わせていたが、わざと詰まらせてレフト前に落とすなど1球1球に意図が透け、徐々にフルスイングを始めると、最後はライトの二階席に豪快に叩き込んで締め、チームメートの度肝を抜いた。
首脳陣の望む展開も救援陣に誤算…
9時半過ぎに発表になったスタメンにイチローの名前はなく、これで2014年から4年連続。マーリンズにとってはしかし、理想的なスタートか。このチームの中心は外野のレギュラー3人であり、イチローがスタメンに入るようでは故障者がいるということになる。マーリンズはマーティン・プラドが故障者リストで開幕を迎えたものの、ほぼベストメンバーで開幕に臨むことができた。
試合もマーリンズが優位に進め、望んだ形――ブルペン勝負に持ち込んだが、意外にもリリーフ陣が誤算となった。
マーリンズは昨オフ、田沢純一、ブラッド・ジーグラーと契約し、セットアッパーを補強。デービッド・フェルプス、カイル・ベアラクラと合わせた4人に加え、守護神に昨季40セーブをマークしたA.J.ラモスが控える布陣は、大リーグでも質、量ともに屈指と見られたが、この日は、フェルプスと田沢が期待に応えられなかった。
6回から登板したフェルプスは、ブライス・ハーパーにソロ本塁打を浴び、続投した7回には、アダム・リンドに2ランを打たれて逆転を許す。8回から登板した田沢は、左打者3人と対戦すると、1死も取れず、追加点を献上。実績のあるリリーフを揃えながら、左投手がいない弱みを露呈してしまった。
そしてこの試合では、フェルプスの続投が、少なからずイチローに影響を与え、開幕戦での出番が消滅している。