楽天、今シーズンの注目ポイント 若手の成長と勢いで根拠のある強さを

ベースボール・タイムズ

影響の大きい岸と細川の加入

ベテランキャッチャー細川の加入は、その経験から試合出場がなくても投手陣に与える影響は大きい 【写真は共同】

 2013年の日本一の後、6位、6位、5位とBクラスが続く東北楽天。梨田昌孝監督2年目の今季は、低迷を打破する戦いが求められる。

 オフの最大の補強は、埼玉西武からFA加入した岸孝之だ。プロ10年間で通算103勝65敗、防御率3.05を誇る32歳右腕。これまで則本昂大頼みだった先発陣に2本目の柱が誕生するメリットは想像以上に多い。3月25日にインフルエンザと診断されて開幕投手は白紙となったが、長いシーズンの中で幾度となく助けられる時が来るはずだ。

 もう1人、大きなカギを握るのが福岡ソフトバンクから加入した細川亨だ。その豊富な経験で、例え試合出場の機会が少なくとも、投手陣全体に与える影響は大きなものがある。その他、投手陣では巨人からトレードで加入した小山雄輝にも期待。14年には交流戦で3勝を挙げており、当時の投球を披露できれば先発ローテ入りは十分に可能だ。元巨人、横浜DeNAの久保裕也の復活にも期待がかかり、ハーバード大卒の中継ぎ左腕として期待のハーマンも投手陣を分厚くできる存在だ。

 新人では、ドラフト1位の藤平尚真が高卒1年目から1軍デビューできるか。2軍の開幕戦となった3月20日のイースタン・DeNA戦では先発して3回1安打無失点6奪三振の好投。スケールの大きな投球は1軍相手にも十分に通用しそうだ。その他、4位の菅原秀、5位の森原康平、9位の高梨雄平が中継ぎ枠を争っており、その中から森原が抜け出しそう。大成功のドラフトだったと言える日は近いかもしれない。

安楽、森、茂木ら若手の活躍がカギ

 新戦力に限らず、楽しみな若手も多い。投手陣では高卒3年目の安楽智大が開幕ローテ入り確実のところまで来たが、故障で長期離脱。交流戦前後の復帰が予想されている。代わりにドラ1入団5年目の森雄大がローテ入りへ向けてアピール。伸び悩んでいた左腕のブレークに期待したいところだ。

 野手陣では、昨季ケガや不振で苦しんだ銀次、藤田一也、岡島豪郎の主力勢が本来のパフォーマンスを披露できるか。そしてウィーラー、アマダーの外国人勢力が長打力を見せ付けることができるか。そしてプロ2年目で1番起用が濃厚な茂木栄五郎も大きなカギを握る。ベテランの今江年晶、松井稼頭央らの活躍も期待されるが、決して選手層は厚くないだけに、主力の故障離脱は避けたいところだ。

 ソフトバンク、北海道日本ハムに比べて戦力的には劣ることは確かだろう。それを覆すためには若手の成長、そして勢いが必要になる。梨田監督には就任2年目に優勝するというジンクスも存在するが、単なる神頼みではなく、根拠のある強さを身に付けなくてはならない。

オープン戦成績

6勝9敗2分(12チーム中8位)

チームトップ
打率:銀次 2割9分3厘
本塁打:中川大志、フェルナンド、島内宏明、今江年晶 1本
打点:銀次、島内宏明 6打点
安打:銀次 17本
四球:岡島豪郎 10
盗塁:聖澤諒、田中和基 2

防御率:規定回数以上投球した投手なし
勝利:岸孝之 2勝
セーブ:ハーマン 2セーブ
登板:高梨雄平、ハーマン 7試合
投球回:岸孝之 16回
奪三振:岸孝之、森雄大 14

過去5年のシーズン成績

2016年:5位 62勝78敗3分 
2015年:6位 57勝83敗3分
2014年:6位 64勝80敗0分
2013年:1位 82勝59敗3分 ※日本一
2012年:4位 67勝67敗10分
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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