ヤクルト、今シーズンの注目ポイント 投手陣の整備で優勝争いに期待

ベースボール・タイムズ

新外国人投手たちに活躍の目処

オープン戦では2試合に先発し、合計9イニングを自責点2に抑えたブキャナン 【写真は共同】

 リーグ優勝から最下位争いの末の5位に転落した昨季の東京ヤクルト。WBCで活躍した山田哲人、バレンティンらが並ぶ打撃陣は強力で、投手陣が整備されれば、文字通りのV字回復も期待できる。

 低迷の要因となった投手陣は、新戦力で賄うことになる。15年の優勝の原動力となったバーネット、オンドルセク、ロマンの外国人リリーフトリオが全員いなくなった今季、新外国人として獲得したのがブキャナン、オーレンドルフ、ギルメットの3投手だ。

 先発枠を争ったのがブキャナンとオーレンドルフだが、現状ではブキャナンの開幕ローテーション入りが有力となっている。オーレンドルフもオープン戦ではまずまずの結果を残しており、調子次第では入れ替え、もしくは2人が1軍という形もありそうだ。リリーフのギルメットは、オープン戦8試合で防御率1.13と結果を残した。昨季69試合に登板したルーキとともに、ブルペン陣を支える役割が期待される。

 野手の新外国人選手として、長打力が売りのグリーンを獲得したが、WBCでのバレンティンの活躍ぶりと投手の台所事情を考えると、外国人枠に残れる可能性は薄い。ただ、バレンティンは故障が多いこともあり、バックアップ役として出番が来る場面も少なくなさそうだ。

初打席初本塁打の廣岡の台頭に期待

 ドラフト組では、高校生ナンバーワン左腕と呼び声の高い寺島成輝を獲得したが、キャンプ中の故障もあり、早い時期での1軍昇格はなさそうだ。キャンプでは2位の星知弥、4位の中尾輝、6位の菊沢竜佑が開幕1軍候補に挙がっていたが、オープン戦の7試合で防御率1.00と結果を残した星がリリーフとして1軍枠に入ることになりそうだ。

 ブレークが期待されるのが、キャンプで椎間板ヘルニアを発症して離脱した川端慎吾に代わるサードとして起用された高卒2年目の廣岡大志。昨季は球団の高卒新人では初となるプロ初打席初本塁打と衝撃デビューを飾った新鋭に定位置奪取の期待がかかったが、開幕スタメンは総合力で一歩リードした大卒4年目の西浦直亨に落ち着きそうだ。中村悠平と正捕手争いをする西田明央ら、中堅選手で力をつけてきた選手も多く、全体的なレベルアップは随所に感じられる。

 前人未到の3年連続トリプルスリーを狙う山田を中心に、バレンティン、畠山和洋とタイトル経験者が並ぶクリーンアップは、リーグ屈指の破壊力がある。脇を固める坂口智隆や大引啓次、雄平など、攻撃陣は多士済々の顔ぶれで、どこからでも点が取れる迫力がある。

 V字回復のカギを握るのは、やはり投手陣。小川泰弘、石川雅規の両エースに、WBCでも好投した抑えの秋吉亮と、柱になる存在はいる。館山昌平や由規の復活組か、2年目を迎えるドラ1右腕の原樹理らの新鋭か。外国人投手の出来と故障者の穴を埋めるバックアップ次第では、再び優勝争いに絡んできてもおかしくない戦力はある。

オープン戦成績

7勝7敗4分(12チーム中7位)

チームトップ
打率:雄平 2割5分4厘
本塁打:大引啓次、西浦直亨 2本
打点:西浦直亨 8打点
安打:西浦直亨 16本
四球:畠山和洋 8
盗塁:上田剛史 3

防御率:小川泰弘 6.35
勝利:石川雅規 2勝
セーブ:石山泰稚、ギルメット、ルーキ、小川泰弘 1セーブ
登板:ギルメット、ルーキ、平井諒 8試合
投球回:メッセンジャー 22回2/3
奪三振:岩貞祐太 24

過去5年のシーズン成績

2016年:5位 64勝78敗1分
2015年:1位 76勝65敗2分
2014年:6位 60勝81敗3分
2013年:6位 57勝83敗3分
2012年:3位 68勝65敗11分
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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