西武、今シーズンの注目ポイント 打力は十分! 投手陣の奮起に期待

ベースボール・タイムズ

ルーキー源田の開幕スタメン濃厚

ショートのレギュラーを狙うルーキー・源田 【写真は共同】

 昨季は借金12の4位に終わった埼玉西武。西武球団創設以来の屈辱となる3年連続Bクラスからの脱却が、西武黄金時代の主力選手だった辻発彦新監督に課せられたノルマだ。

 オフに岸孝之がFAで東北楽天に移籍して手薄になった先発投手陣に、キャンデラリオとガルセスという新外国人を獲得。さらにリリーフタイプのシュリッターも加えて投手陣の底上げを図った。昨季途中加入したウルフを含めた外国人枠争いとなるが、日本で実績のあるウルフは当確で、オープン戦の結果を見るとシュリッターは守護神起用の可能性もある内容を見せており、残り1枠を2人で争う見通しとなっている。

 ドラフト入団組では、3位の源田壮亮がショートの定位置を奪う勢いを見せている。社会人屈指の評価を得た守備力は、チームの弱点補強にうってつけの選手と言える。オープン戦でも打率3割を記録し、球団では1981年の石毛宏典以来となる新人開幕遊撃スタメンが確実な状況だ。

 1位入団の今井達也は、昨夏の甲子園優勝投手で1年目からのローテ入りの声もあったが、チーム方針からまずは体力作りを優先し、早期の1軍デビューはなさそう。2位の中塚駿太、5位の平井克典もオープン戦の登板はなく、6位の田村伊知郎が、中継ぎとして開幕1軍に滑り込めるかどうかだろう。

7年目の大石の覚醒に期待

 エースが抜けて再構築を余儀なくされた先発陣は、菊池雄星と2年目の多和田真三郎が左右の軸となる。近い将来のメジャー移籍が噂される菊池にとっては、立場が変わる今季は勝負の年。ルーキーイヤーに7勝を挙げた多和田には、今季は最低でも2ケタ勝利の期待がかかる。3番手以降は、日本での7年間で43勝を記録しているウルフに続き、中堅の野上亮磨と十亀剣、若手では高橋光成、本田圭佑らの争いとなる。辻監督は「岸が抜けて若手がチャンスと感じるかどうか」と、新戦力の台頭に期待している。

 リリーフ陣では、WBCで活躍した牧田和久に守護神候補の増田達至、小石博孝と武隈祥太の両左腕と駒はそろっている。その中でも注目したいのが大石達也だ。6球団競合の末に入団したドラ1右腕だが、右肩痛などもあって期待を裏切っている。しかし昨季は中継ぎとして36試合に登板して防御率1.71の好成績。今年のオープン戦でも5試合に登板して無失点と結果を残し、プロ7年目の本格覚醒が期待される。

 昨季の敗因は、投手力も含めたディフェンス面にあった。チーム打率、総得点はいずれもリーグ2位の攻撃力を持ちながら、チーム防御率はリーグ4位で、101失策はリーグワースト。中村剛也、メヒア、浅村栄斗、秋山翔吾とタイトルホルダーが並ぶ打線は、今年もリーグ屈指の破壊力を誇るだけに、投手陣の奮起が4年ぶりのCS出場のカギとなる。

オープン戦成績

8勝5敗3分(12チーム中5位)

チームトップ
打率:木村文紀 2割8分3厘
本塁打:木村文紀、メヒア 2本
打点:浅村栄斗、田代将太郎、中村剛也 6打点
安打:木村文紀 13本
四球:浅村栄斗、山川穂高 6
盗塁:木村文紀 5

防御率:菊池雄星 3.21
勝利:菊池雄星 2勝
セーブ:増田達至 3セーブ
登板:シュリッター、武隈祥太、増田達至 6試合
投球回:菊池雄星 14回
奪三振:菊池雄星 11

過去5年のシーズン成績

2016年:4位 64勝76敗3分 
2015年:4位 69勝69敗5分
2014年:5位 63勝77敗4分
2013年:2位 74勝66敗4分
2012年:2位 72勝63敗9分
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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