阪神、今シーズンの注目ポイント 「超変革」2年目の飛躍なるか!?

ベースボール・タイムズ

FA移籍の糸井がキーマン

走攻守でチームをけん引したい糸井 【写真は共同】

「超変革」のスローガンのもと、金本知憲監督の船出となった昨季の阪神。大きな期待を背負ってスタートしたシーズンだったが、結果は4位に終わり、CS出場も逃した。試行錯誤の中での積極的な若手起用が、2年目の飛躍につながるのか、指揮官も含めて注目の1年となる。

 新戦力の目玉は、何と言ってもオリックスからFA加入した糸井嘉男だ。ヒザの故障から復調した昨季は、打率3割6厘をマークし、自己最多となる53盗塁でタイトルを獲得した。今年は右ヒザ関節炎の影響で、キャンプでは別メニューでの調整が続いたが、オープン戦の終盤には元気な姿を見せており、金本監督も「数字以上の効果を期待している」とキーマンであることは間違いない。

 新外国人選手としては、投手のメンデス、野手のキャンベルを獲得した。だが、現状では2人とも開幕1軍もままならない状況となっている。昨年固定しきれなかった抑え候補として期待されたメンデスは、調子が上がらず3月中旬に2軍落ち。鳥谷敬とサードのポジションを争うはずだったキャンベルも、左手首腱鞘炎を発症して開幕1軍は微妙な状況だ。

原口の「4番・一塁手」もある!?

 新人では、ドラフト1位の大山悠輔が一時は正三塁手候補の声も上がったが、3月中旬に2軍落ちが決まり、開幕1軍は難しい状況となった。逆にキャンプ、オープン戦で評価を上げたのが5位の糸原健斗で、内野の全ポジションを守れるユーティリティー選手として、1軍枠に食い込みそうだ。その他、投手では2位の小野泰己が先発の5、6番手としてローテ入りも視野に入れる。

「超変革」で積極起用された若手野手の中で、レギュラーの座をつかみそうなのが北條史也と原口文仁の2人だ。北條は長年、ショートを守った鳥谷をサードへ押しやり、今季はさらなる飛躍が期待されている。原口はもともと捕手であるが、打撃力を買われてファーストとしての起用が濃厚。適任者のいない4番抜てきの声も挙がっている。

 さらにルーキーイヤーから存分に働いた高山俊が、今年もオープン戦で12球団トップタイの4本塁打をマークするなど、さらなる大ブレークの気配を漂わせている。その他でも、江越大賀、中谷将大、板山祐太郎らが生き残りをかけて激しい競争を続け、梅野隆太郎を中心に坂本誠志郎や岡崎太一らによる正捕手争いも見どころの一つだ。

 投手陣は、先発がメッセンジャー、藤浪晋太郎、岩貞祐太、能見篤史の4人が当確。その他にも頭数はそろっている。不安材料と言える抑えを固めたいところ。オープン戦では、セ・リーグで最高位となる4位と好調をキープした。金本監督が期待する若手の成長で「超変革」が進んでいくのか。重要なシーズンとなる。

オープン戦成績

10勝6敗2分(12チーム中4位)

チームトップ
打率:北條史也 2割8分3厘
本塁打:高山俊 4本
打点:中谷将大 14打点
安打:高山俊 21本
四球:上本博紀 9
盗塁:上本博紀、鳥谷敬 3

防御率:メッセンジャー 3.00
勝利:マテオ、秋山拓巳 2勝
セーブ:ドリス 3セーブ
登板:松田遼馬、桑原謙太朗、岩崎優、マテオ 8試合
投球回:メッセンジャー 18
奪三振:岩貞祐太 16

過去5年のシーズン成績

2016年:4位 64勝76敗3分
2015年:3位 62勝80敗1分
2014年:2位 67勝75敗2分
2013年:2位 73勝67敗4分
2012年:5位 55勝75敗14分
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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