日本ハム、今シーズンの注目ポイント 積極的な若手起用で連覇を狙う

ベースボール・タイムズ

移籍加入の公文がオープン戦で好投

7年ぶりに日本球界に復帰する村田 【写真は共同】

 昨季は歴史的逆転劇でペナントレースを制し、日本シリーズでも広島を破って10年ぶりの日本一に輝いた北海道日本ハム。積極的な若手起用でチーム力を維持するスタイルで、今年も優勝候補であることは間違いない。

 巨人とのトレードで吉川光夫、乾真大の両左腕が抜けた投手陣には、新外国人としてエスコバーが加入した。150キロ超のストレートと多彩な変化球が武器の左腕は、24歳と若く、日本での成長も含めて先発として期待されている。

 さらに投手では村田透を逆輸入の形で獲得。ドラフト1位で巨人に入団しながら在籍3年で1軍登板なしに終わったが、渡米後にマイナーリーグで実績を積んで15年にはメジャー昇格も果たした右腕が、7年ぶりの日本球界でどのようなピッチングを見せられるかに注目が集まる。

 新人ドラフトでは、堀瑞輝、高山優希といった将来性豊かな高校生左腕を獲得したが、即戦力とまでは考えない方がいいだろう。それよりも、巨人からトレードで移籍した公文克彦がオープン戦で好投し、戦力になりそうな状況だ。

ルーキー石井一に注目

 野手の新戦力で最大の注目は、公文とともに巨人から移籍した大田泰示だったが、オープン戦でスイングした際に左脇腹を痛め、開幕1軍は絶望的な状況になった。しかし、ドラフト2位ルーキーの石井一成が、高い守備力とシュアな打撃を武器に内野の一角を狙う勢い。ドラフト4位入団の森山恵佑も「ゴジラ2世」の異名を持つ左のスラッガーで、陽岱鋼の抜けた外野争いに参戦するつもりだ。

 主力が抜けても新しい選手でカバーするチームカラーは今年も健在。外野陣では、陽に代わるレギュラー候補として、大卒4年目の岡大海の飛躍が期待される。高い身体能力で昨季は破竹の15連勝の原動力となり、日本シリーズでもスタメン起用されるなど、期待の高さを感じさせた。谷口雄也が右ひざ前十字じん帯損傷で今季絶望となる誤算はあったが、前述した大田に、昨季ファームでチーム最多盗塁を記録した岸里亮佑らとの外野の定位置争いに注目したい。

上原健太にブレイクの予感

 投手陣では、プロ2年目を迎えたドラフト1位左腕の上原健太にブレークの予感が漂う。昨季ファームでチーム最多登板だった右腕の石川直也とともに、先発ローテの一角に入れば投手陣に厚みが増す。

 近い将来のメジャー移籍が噂される「二刀流」大谷翔平は、右足首故障の影響でWBCを辞退し、開幕ローテーション入りは難しそうだが、打撃面ではオープン戦で12球団トップタイの4本塁打と絶好調。侍ジャパンで主軸を担った中田翔や、いまや球界を代表する選手となった西川遥輝など、個々のレベルは高い。投手陣も大谷不在でも、昨季2ケタ勝利の有原航平、高梨裕稔を筆頭に、先発陣は多彩な顔ぶれがそろう。増井浩俊がリリーフに再転向したブルペン陣も強力で、連覇を狙える戦力であることは間違いなさそうだ。

オープン戦成績

11勝7敗2分(12チーム中6位)

チームトップ
打率:横尾俊建 3割6分1厘
本塁打:大谷翔平 4本
打点:近藤健介 9打点
安打:横尾俊建 22本
四球:西川遥輝 13
盗塁:田中賢介、岡大海、中島卓也、岸里亮佑、大累進 2

防御率:有原航平 3.86
勝利:高梨裕稔 2勝
セーブ:鍵谷陽平 4セーブ
登板:公文克彦、武田久 9試合
投球回:有原航平 21回
奪三振:石川直也 15

過去5年のシーズン成績

2016年:1位 87勝53敗3分 ※日本一
2015年:2位 79勝62敗2分
2014年:3位 73勝68敗3分
2013年:6位 64勝78敗2分
2012年:1位 74勝59敗11分
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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