レギュレーション変更でF1は高速化 ハッキネンとアレジが語る注目ポイント
アレジが振り返るデビュー当時のF1
レギュレーションの変更はあってもメルセデスの有利は変わらなそうだ 【写真:ロイター/アフロ】
「僕がF1デビューしたのは89年のフランスGPだ。当時、F3000を走っていて、ケン・ティレルに突如呼ばれてデビューすることになった。いきなり呼ばれたから、F1マシンで1ラップだって走ったことないのに、いきなり本番デビューだったんだ。
いちばんの驚きは、やっぱりブレーキだね。そしていざ予選となったとき、ケン・ティレルに言われたんだ。心配せず、とにかくアクセルを踏んでいけ。失敗してもそのまま踏んでいけと。当時の予選タイヤは本当にグリップが強大で、とにかくプッシュしまくった。そうしたら予選7位だったんだ。タイヤのグリップは本当にすごくて、その翌年に冬のテストでサーキットを走るだろ。1日で首の筋肉がもう終わってしまう。右コーナーへステアリングを切ると、首がGフォースに負けて横向いてしまうんだ。首はトレーニングすることが難しいから、当時のレースだとブラジルGPのインテルラゴスは数少ない左回りサーキットで、あのグランプリでは、誰しもが首の筋肉が終わってしまっていたよ」
三人が語る日本GPの観戦ポイント
「鈴鹿サーキットが素晴らしいのは、常に最高の状態にメンテナンスされていることだ。これは僕の時代からずっと変わらない。そうしたスタッフの仕事が鈴鹿サーキットを最高のサーキットにしてきたのだと思う。観客として楽しむなら……まずはメインストレートかな。F1マシンの速さがどれほどのものか、鈴鹿のメインスタンドは満喫することができる。その音もそうだし、複数台のマシンが並んで1コーナーへと向かっていく様子は、F1の迫力がそのまま感じられるポイントだ。そして、もう一つF1マシンのすごさを感じられるポイントとして挙げるなら、S字コーナーかな。今年はタイヤが幅広になり、よりコーナリングスピードが高くなった。マシンとタイヤのグリップ力が、これまでより格段にS字コーナーの迫力を増してくれると思う。そういう意味では、すべてのコーナーが観戦ポイントになったと言えるかもしれないね」とハッキネン。
「鈴鹿サーキットはさまざまな形状のコーナーが組み合わされたサーキットなのだけど、まずスタートから1コーナーにかけては見ていて楽しめるポイントだ。でも、ファンとして観戦するなら、絶対に選ぶのはシケインだね。理由はオーバーテイクポイントであることと、常になにかドラマが起きる場所だから。(1989年の)セナとプロストの時代からね。あと、スプーンカーブは好きだね。あそこはスピードも出ていて、西ストレートに向かって立ち上がって行くときのスピード感が素晴らしい。そして、最後に見るべきポイントはS字コーナーだ。特に高い位置から見ることをお勧めしたい。メインストレートから1コーナー、2コーナー、そしてS字へとそのスピード感をじっくり楽しむことができる。でも、正直鈴鹿サーキットはすべての観戦スタンドやポイントがお勧めと言える。それが鈴鹿サーキットの魅力だよ」とアレジ。
「僕は父のように鈴鹿を知り尽くしていないので、詳しくは説明できませんが、僕がファンとして楽しむなら、やはりS字コーナー。とくに逆バンクの上の位置から見る感じですね。というのも、S字コーナーというのは、F1マシンのパフォーマンスを感じられるポイントだからです。そして、ほかの観戦ポイントでは、どうしても1つのコーナーだけの観戦になってしまいますが、S字は複合的にマシンの走りを見ることができます。とくに高い位置からだと、より広い視野で観ることができるので良いと思いますね」とジュリアーノ。
いよいよ開幕する2017年シーズン。すでに日本GPのチケットも販売しており、ファンにとっては忙しい季節になってきた。マクラーレン・ホンダのテストでの不調は気になるが、昨年の王者・ニコ・ロズベルグが引退したことや、各チームのドライバーがシャッフルされたことで、いろいろと予測不可能なシーズンとなりそうだ。ぜひとも3月24〜26日で開催されるオーストラリアGPから始まるF1シーズンを楽しみたい。