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大量リードでの抑え・牧田投入の是非
決勝Rを見越した則本投入はなかったか!?

権藤コーチが足早にブルペンへ

権藤投手コーチ自らブルペンに足を運んで最終回のマウンドを託した牧田が東京ラウンドの最後を締めた
権藤投手コーチ自らブルペンに足を運んで最終回のマウンドを託した牧田が東京ラウンドの最後を締めた【写真は共同】

 8点リードで迎えた9回表が始まる直前、権藤博ピッチングコーチが足早にブルペンへと向かった。電話で交代を告げるのではなく、78歳のコーチ自ら足を運んだのは、特別なメッセージを伝えるためだった。少なくとも、最後を託された牧田和久はそう感じた。


「抑えは牧田と思っているかはわからないですけど、最後をしっかり締めてほしいという部分はあったと思います」


 野球日本代表「侍ジャパン」の首脳陣は、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝進出を懸けて3月15日に行われたイスラエル戦の最後、万全の体制で勝利を収める道を選択した。


 しかし、牧田は完璧に抑えた12日のオランダ戦、14日のキューバ戦とは打って変わり、3本のヒットを浴びて3失点。それでもピンチを自分でしのぎ、チームの勝利をたぐり寄せた。

6連勝で決勝ラウンドに進出

小久保監督の期待に応えた選手たちが無傷の6連勝で2次ラウンドを通過した
小久保監督の期待に応えた選手たちが無傷の6連勝で2次ラウンドを通過した【写真は共同】

 4点差で敗れても首位通過の決まるイスラエル戦を勝利し、1次ラウンドから6連勝。侍ジャパンは無傷でアメリカで行われる決勝ラウンドに駒を進めた。


「自分が決めたことに対して信じて、あとは結果を待つだけという心境になること。それをずっと自分に言い聞かせていました」


 会見で選手を送り出す際の心境について聞かれた小久保裕紀監督は、そう語った。中盤までスコアが動かずに緊迫した展開となったイスラエル戦は、まさしく指揮官の期待に選手が応えた。

千賀は63球で5回無失点

4回を投げ切ることを目標にマウンドへ上がった千賀は5回無失点。最後は左足のふくらはぎがつって降板となった
4回を投げ切ることを目標にマウンドへ上がった千賀は5回無失点。最後は左足のふくらはぎがつって降板となった【写真は共同】

 味方の援護を得られないなか、先発の千賀滉大は6回まで無失点に抑えていく。宝刀のフォークが思うようにコントロールできないなか、丹念に低めを突いていった。


「イニングを重ねるごとに、フォークボールを投げるのがしんどくなっていきました。(その理由は)イニングを重ねることに慣れていないのが一番です。でも、真っすぐでしっかりファウルをとれていたのが大きかったと思います」


 4回を投げ切ることを目標に掲げてマウンドに上った千賀は、続投した5回を全力投球で3者凡退に抑えた。この時点で球数は63球。上限まで17球あり、首脳陣は続投させる予定だったが、左足のふくらはぎをつったために降板した。

流れ引き寄せた平野の投球

2番手・平野のテンポのいい投球が直後の5得点を呼び寄せた
2番手・平野のテンポのいい投球が直後の5得点を呼び寄せた【写真は共同】

 2番手で行くと告げられていた平野佳寿は試合前、ブルペン担当の村田善則バッテリーコーチが千賀に「3回まで行ってくれたらいい」と話していたのを聞き、3回から登板の準備ができていた。6回表に出番がやってくると、ストレートで押して簡単に2死をとり、3人目の打者はフォーク中心の投球で抑えている。


 前日のキューバ戦に続き、2番手・平野のテンポのいい投球から攻撃の流れを引き寄せた。5回裏、先頭打者の4番・筒香嘉智が真ん中高めの141キロストレートを見逃さず、センターに先制ソロ。これで打線が勢いに乗り、8番・松田宣浩のタイムリー二塁打などで一挙5点を奪った。


 投げては7回を続投した平野から宮西尚生、秋吉亮とつなぐと、8回裏、疲労のたまった中田翔に代わって5番でスタメン出場した内川聖一がレフトに2点タイムリー二塁打、さらに松田がこの日2本目のタイムリーを放ち、3点を追加してゲームは決した。そこで首脳陣が下したのは、8点リードで牧田の投入だった。

中島大輔
中島大輔

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた『野球消滅』(新潮新書)。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』がミズノスポーツライター賞の優秀賞。

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