小久保監督「とにかく明日が大事」 2次ラウンド・オランダ戦前日会見

中島大輔

11日の練習前、東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげる 【写真は共同】

 3月11日、翌日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンド初戦を迎える野球日本代表「侍ジャパン」の小久保裕紀監督、小林誠司、菊池涼介が東京ドームでの練習後、公式会見に出席。オランダ、キューバ、イスラエルとの対戦に向けて意気込みを語った。

石川にはキューバ戦の再現を期待

 以下、小久保監督と2選手の一問一答。

――最初に監督に聞きます。明日から2次ラウンド。今日全体練習を行って、チームの雰囲気はどうでしたか?

小久保監督 良かったと思います。

――2次ラウンド初戦の重要性をどう考えていますか?

小久保監督 1次ラウンドは過去のことなので、とにかく明日なんです。明日が大事。とにかく明日のことばかり考えています。

――オランダには現役メジャーリーガーも多い。どういうイメージを持っていますか?

小久保監督 おっしゃる通り、豪華な内野陣です。昨年の強化試合で中心だった選手が下位を打つような打線になると思います。打線は強力だなという印象をもちろん持っています。先発投手はまだ発表されていませんけど、バンデンハーク(福岡ソフトバンク)が来るのか。予想ではそうですけどね。先発であれば、バンデンハークをいかに早く降ろすかが大切になってくると思います。

――オランダに勝つためにはどういう野球をしたいですか?

小久保監督 先発ピッチャーがある程度ゲームをつくらないと、逆転していくのは難しいと思うので、先発ピッチャーにとにかく我慢強く投げてもらいたいのが一番です。3時間後にわかる(相手の)先発ピッチャーである程度作戦というか、オーダーを考えようかなと思います。

――明日の日本の先発ピッチャーは誰ですか?

小久保監督 石川(歩)で行きます。

――石川投手に期待することを教えてください。

小久保監督 (初戦の雰囲気が)独特のキューバ戦をいつも通りのマウンドさばきでゲームをつくってくれました。明日もあのような形でゲームをつくってくれることを期待しています。

チーム全員で抑えて勝ちたい

キューバ戦のように、石川と小林のバッテリーがかみ合うことを期待したい 【写真は共同】

――続けて、小林選手と菊池選手に質問します。現在のコンディションと気持ちの高ぶりを教えてください。

小林 チームもすごくいい雰囲気ですし、1次ラウンドと同じように自分の役割をしっかり果たしていきたいと思います。

菊池 誠司も言った通り、チームの士気がすごく上がっています。僕は僕らしく、いい意味で楽しく野球をやりたいと思っています。

――オランダの印象を教えてください。

小林 打線がすごく強力ですし、メジャーの選手も多いので、抑えるにあたって打線(という考え方)ではなく、一人一人を打ち取ることが大事だと思います。イニングの先頭(打者)をチーム全員で抑えて勝ちたいと思います。

菊池 ほとんど言われてしまいました(笑)。守備でいいリズムをつくれるように、しっかり守りたいと思います。

――決勝ラウンドへの意気込みをお願いします。

小林 世界一を目指しているチームなので、まずは明日からの試合を一つ一つ全力で、勝てるように必死でやっていきたいと思います。

菊池 ほとんど言われてしまいました。2番手はきついんですけど(笑)。全力でやるしかないので、絶対勝ちにいきます。

大震災から6年…プレーできる幸せを

――小久保監督に質問します。相手先発がバンデンハークであった場合、オーダーを組むときを含めて、いままでの対戦データは意識のなかに入れますか?

小久保監督 対戦データは一通り見ますけど、セ・リーグの選手も多いので、あまり参考にならないかと思います。それよりも、どうすることが一番オランダの嫌がる打線になるかを考えます。今晩、しっかり悩みたいと思います。

――小久保監督に質問します。きょう3月11日は日本にとって特別な日です。この節目に野球の大きな勝負に挑める心境を教えてください。それと、侍ジャパンを楽しみに応援してくれているファンの方へ言葉があったら教えてください。

小久保監督 大震災から6年が経ちましたけど、まだまだ完全な復興を成し遂げられているわけではないです。苦しまれている人がいるなかで、我々はこのWBCの戦いの真っ只中です。今日は試合がなかったですけど、明日の試合で、やりたくてもやれない人たちもいるとしっかり胸に刻みながらグラウンドに立ちたいと思います。選手にはヘッドコーチの奈良原(浩)さんから「ユニホームを着てプレーできることを幸せに感じていこう」という話がありました。そういう思いで明日はグラウンドに立ちたいと思います。
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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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