「稀勢の里は絶対優勝しないとダメ」兄弟子・西岩親方が語る新横綱の“宿命”

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偉業達成を阻む難敵への対策は?

8日には白鵬(左)が田子ノ浦部屋に出稽古に出向き、稀勢の里(右)らと胸を合わせた 【写真は共同】

 ただ横綱昇進、即優勝というのは年6場所となった1958年(昭和33年)以降、大鵬、隆の里、貴乃花の3人しか成し遂げていない偉業だ。稀勢の里が今場所も賜杯を抱くためには、前半戦に不覚を取らないことはもちろん、先輩横綱からも白星を重ねることが必要となる。

「僕もドキドキの15日間が始まります」と笑う西岩親方。最後に、今場所予想される取組の中から、手強い要注意力士とその対策を教えてもらった。横綱になっても、相撲ファンの期待を稀勢の里が一身に背負う状況は変わらない。今年の3月場所を、自身の強さを証明する15日間とすることができるだろうか。


■関脇以下

貴ノ岩(西前頭2枚目) 対戦成績:1勝0敗
「先場所の白鵬戦での金星を見ても、場所ごとに力を付けてきていますね。貴ノ岩には左前みつを取って右四つという型がありますので、こうなると危ないです。まず左を差すことにしっかり集中してもらいたいです」
蒼国来(東前頭2枚目) 初顔合わせ
「初顔ってけっこうやりづらいものなんです。実力的には問題ないですが、そのへんは要注意ですよね。まわしを取られたら(蒼国来の)力は強いですから、(稀勢の里は)しっかりと左を差して右の上手を取る、自分の型になることですね」

琴奨菊(東関脇) 対戦成績:30勝33敗
「先場所も唯一負けている相手で、琴奨菊にとっても今場所は大事な場所です。横綱・大関戦以外ではひとつの山と言えます。

 今場所はそれぞれ横綱・関脇という番付に変わりましたけど、実力は拮抗(きっこう)しています。他の格下力士たちと相撲を取るような感覚でいくと、やられてしまうでしょう。相手を大関だと思って、序盤とは違うギアに入れ替えて本気モードでいかないとダメですね」

兄弟子として、稀勢の里(左)の稽古を見つめる西岩親方(右端) 【写真提供:スポーツライブエンターテインメント株式会社】

■大関

照ノ富士(西大関) 対戦成績:11勝3敗
「照ノ富士は膝を怪我してここ1年くらいは本調子ではありません。得意の左四つで攻めていけばまったく問題ないんじゃないでしょうか」

豪栄道(東大関) 対戦成績:26勝14敗
「要注意ですね。1月場所は豪栄道の立ち合いがあまり良くなかったですが、優勝した9月場所の鋭い立ち合いをやられると危ないです。左四つになってしまえば問題ないと思うので、そこまでの立ち合いで当たり勝たないとダメですね。

 また大阪は豪栄道の地元。相当な気合いで来ることでしょう。(場内も)それ以外の対戦ではみんなが稀勢の里を応援するだろうけど、豪栄道戦だけはアウェーですからね(笑)。その空気に飲まれなければ(大丈夫でしょう)」

■横綱

日馬富士(東横綱) 対戦成績:24勝37敗
「稀勢の里にとってはやりやすい相手ではないでしょう。日馬富士にはいつも立ち合いで当たり負け、スピード負けしているので、まず立ち合いに集中することですね。当たり負けというよりもスピード負け。ですので、日馬富士よりも速く強く踏み込むということ。でも得意の左四つですから、胸が合えば稀勢の里は負けないと思いますね。日馬富士は速く当たって中に入ってきますので中に入れないことですね。左四つになって胸を合わせる、そして日馬富士の動きを止める。そうなれば体力でいけます」

鶴竜(西横綱) 対戦成績:31勝17敗
「他の2横綱と比べてればやりやすいような感じはします。立ち合い低く当たってきますので、まず左をしっかり締めて左四つになること。ただ、そうなっても鶴竜には巻き替えがありますので、安心してはダメです。巻き替えられてからのもろ差しで負けていることが何回かあるので。左四つになったら鶴竜は必ず『マズい!』と思って巻き替えにきます。それを頭に入れておくことです。巻き替えされなければ大丈夫だと思いますけどね」

白鵬(東横綱) 対戦成績:16勝44敗
「先場所の対戦では逆転で勝ちましたけれど、余裕はなく相撲は負けています。立ち合いの当たりも出足も負けていて、応戦一方でした。たまたま勝ちを得られましたが、“たまたま”が何回も続くことはないですから。
 白鵬の強さは健在です。(先場所とは)逆に稀勢の里の方が良い立ち合いをして当たり勝ってから、相撲を展開していく必要がありますね」

(文:藤田大豪/スポーツナビ)
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