監督の采配と豪快な打撃、守備に注目!! SHEILAが語るキューバ代表の魅力
打線の中軸を担うデスパイネ 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
キューバへ野球用具を届ける活動や、キューバ代表チームの一員としてチームを支えた経験を持つなどキューバ野球と関わりの深いSHEILA(シェイラ)さんに、今大会のキューバ代表チームについて語ってもらった。
国内で優勝を果たしWBCへ挑むマルティ監督
温厚な人柄で選手からの信頼も厚いマルティ監督 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
キューバ国内リーグにはインダストリアレス、サンティアーゴ・デ・クーバ、ビジャ・クララ、ピナール・デル・リオなどの強豪チームがあって、グランマは今まで1度も優勝したことがない弱小チーム。そんなチームを徐々に徐々に強くして、2016‐17年シーズンになんと! 初優勝を果たすことができたんです。その監督が今回のマルティ監督です。
前回大会のビクトル・メサ監督は個性が強く、元気で感情を表に出すタイプだったけど、マルティ監督は逆のタイプですね。温厚でしゃべり方も穏やかで、選手にプレッシャーをかけずにリラックスさせて、伸び伸びと持ち味を出させるのが得意な監督です。選手からの信頼も厚く、そういう意味ではとても楽しみですね。
注目のキューバ代表選手は?
国内リーグで14勝を挙げたブランコ(右)とキャッチャーのモレホン 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
ほかグランマから選出されている選手のなかでは、外野手のヨアルキス・セスペデスにも注目です。レギュラーとして出場するかはわからないけど、亡命してメッツでプレーしているヨエニス・セスペデスの弟で、走攻守そろった才能の塊みたいな選手です。グランマでは背番号「51」で強肩で、寡黙で多くを語らないタイプ。
グランマ以外だと右腕のブラディミール・ガルシアが先発候補のようです。体格がよく力のあるストレートを持つピッチャーだけど、最近また太ったみたい(笑)。立ち上がりこそ少しゆっくりだけど、すぐに調子が上がってくるタイプで、キャッチャーのフランク・モレホンとの相性がいいです。モレホンはインダストリアレスというハバナにある人気チームの選手で、カナダのプロリーグでもプレーしています。2010年に日本で開催された世界大学野球選手権で優勝して、日本が大好きで、ちなみに奥さんは柔道選手で五輪のメダリストでもあります。おそらくキャッチャーはベテランのモレホンが中心になると思います。
投手に話を戻すと、ガルシア、ブランコ、ブラディミール・バノスが先発で、リリーフ陣はミゲル・ラエラ、左のリバン・モイネロ、抑えがホセ・ガルシアになるんではないかと私の勝手な予想です。ただ、全体的に投手陣は絶対的な存在がいないので少し心配です。
身体能力、メンタルの強さは天下一品
そんなキューバチームの見どころはやはりバッティングと守備です。バッティングではとにかくパワー全開の悪球打ちの素晴らしさ、今回も豪華なラインアップがそろっているので楽しんで見て頂けると思います。
そして守備も必見。日本の守備は基本がしっかりしたエリート野球だとしたら、キューバは本能の赴くままに動く豪快守備。アクロバティック的なすごいプレーも見られるかもしれません。身体能力とボールへのリアクション、その中でのグラブさばきなど、日本野球とはまた違うキューバならではの野球に注目です。
投手陣に関しては正直どう転ぶか分かりません。モレホンのリードを含めて何とか粘ってもらえれば、打線と守備でかなり期待できます。良い選手がほとんど亡命してしまい安心している方もいるみたいですが、キューバにはいくらでも原石となるすご腕の選手がいるのも事実。国際経験がない選手もメンタルの強さは天下一品なので全く心配がいりません。日本相手でももちろん勝つ気で来ますよ。とにかく昨シーズンからノリにノっているマルティ監督の運気にあやかりたいです。今回のWBC、私はかなり期待しています。
ちなみに、私の予想は3対2でキューバの勝利。ぜひ豪快な打線と守備に注目してください!
SHEILAプロフィール
【写真提供:ホリプロ】
2011年キューバPR親善大使に就任。14年日本キューバ親善協会を設立し代表理事就任。09年から野球道具をキューバの子供達に送る「ペロタdeアニモ」と言う慈善活動も実施している。また、キューバナショナルチーム(野球、柔道、その他スポーツ)の帯同・サポートなど、幅広くキューバに貢献している。
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