「再燃」したリーガの優勝争い 上位3チームが勝ち点2差にひしめく

一時はレアル・マドリーが独走したかに思えたが……

一時はレアル・マドリーが独走したかに思えたが、優勝争いの行方は分からなくなってきた 【写真:ロイター/アフロ】

 現地時間2月26日、ラ・セラミカ(ビジャレアルのホームスタジアム)で行われた第24節ビジャレアル戦で、レアル・マドリーはアルバロ・モラタのゴールにより劇的な逆転勝利(3−2)を収めた。だが、ミッドウイークに行われた第25節のラス・パルマス戦は3−3のドローに持ち込むのが精いっぱいで、1試合未消化ながらバルセロナに首位の座を譲ることになった。

 第25節終了現在、首位バルセロナと2位レアル・マドリーは勝ち点1差、セビージャもレアル・マドリーと同1差の3位に付けている。一時はレアル・マドリーが独走したかに思えたが、残り13節となったリーガ・エスパニョーラの優勝争いは、ここにきて分からなくなってきた。

 先週末の第24節は上位3チームが軒並み大一番を迎える特別な1節だった。いずれも舞台はアウェーで、勝ち点を失う可能性が高い難敵との一戦だった。しかし、結果的には苦しみながらも、3チームはそろって勝ち点3を持ち帰っている。

 ベニート・ビジャマリン(レアル・ベティスのホームスタジアム)でレアル・ベティスとのダービーに臨んだセビージャは、前半を通して低調なパフォーマンスに終始した。後半は戦力の乏しい地元のライバルに地力の差を見せつけ、相手を自陣に押し込んで逆転に成功(2−1)したものの、前半に喫した先制点を覆すまでには大きな労力を強いられた。

 セビージャは続くアスレティック・ビルバオ戦もホームで大苦戦を強いられたが、前半に得たPKからの1ゴール(キッカーのステバン・ヨベティッチはGKに止められるも、ルーズボールに反応したビセンテ・イボーラが押し込んで先制)を死守して1−0で逃げ切っている。

内容はよくないものの、バルセロナは5連勝

決して内容が良いとはいえないバルセロナだが、リーグ戦では5連勝を挙げている 【Getty Images】

 5月27日にアラベスと対戦する国王杯決勝の舞台となったビセンテ・カルデロン(アトレティコ・マドリーのホームスタジアム)はバルセロナにとって、前回大会でセビージャを下し優勝を決めた場所であり、相性の良いスタジアムだ。第24節アトレティコ・マドリーとの試合も、リオネル・メッシのゴールで勝利を手にしている。

 とはいえ、プレースタイルの崩壊が指摘されて久しいバルセロナは、終了間際に獲得したPKによって、辛うじて勝利した第23節レガネス戦での醜態に続き、この日もチームとして良いイメージを残すことはできなかった。

 ルイス・エンリケはディエゴ・シメオネ率いるホームチームの猛攻を耐えしのぐべく、この試合に3−4−3のシステムで臨んだ。守備時は3人のセンターバック(CB)を並べた最終ラインに中盤のセルジ・ロベルトが加わり、その前にはセルヒオ・ブスケッツとアンドレス・イニエスタの両脇に両ウイングのネイマールとラフィーニャが降りてくる4人のブロックを形成していた。一方で攻撃に専念できる選手は、前線のメッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの南米トリオに加え、まだフィジカルコンディションが万全ではないイニエスタしかいなかった。

 ボールを独占し、相手に主導権を譲らないスタイルを常としてきたバルセロナにとって、それは非常にめずらしい戦い方だった。ましてや相手はスペースのある状態でカウンターを仕掛ける展開を好むアトレティコ・マドリーである。にもかかわらず、この試合ではアトレティコ・マドリーの方が長い時間ゲームをコントロールしていただけでなく、精神的にも優位に立ち、個々のポジショニングも優れていた。彼らに欠けていたのはチャンスをものにする決定力だけだった。

 内容的には劣勢ながらスコアレスで迎えたハーフタイムを経て、バルセロナはようやく攻勢に出た。64分にはエリア内で相手DFに当たって、こぼれたボールをラフィーニャが押し込み先制。1−1で迎えた86分には、メッシがDFに当たったこぼれ球を蹴り込み勝ち越しに成功。逆転優勝に望みをつなぐことができた。

 輝きは取り戻せぬまま、苦しみながらも勝利を手にしたアトレティコ・マドリーとの試合後、翌節のスポルティング・ヒホン戦では、対照的に6−1の大勝を飾ることができた。しかし、やはり現在のバルセロナのプレーからは、世界中を魅了していた数年前のような美しさを感じることができない。

 プレー内容はともかく、リーグ戦では第21節から5連勝と結果が出ており、選手達は少しずつ自信を取り戻し始めた。それでも、8日にカンプノウで迎えるパリ・サンジェルマンとの大一番でチャンピオンズリーグ(CL)敗退を逃れるためには、ファーストレグで喫した0−4のスコアを覆さなければならない。それはほとんど夢物語のような話である。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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