【UFC】“ベスト対ベスト”と呼ぶにふさわしい2大王座戦 初心者からマニアまで見どころ満載の「UFC209」
メインはウェルター級&ライト級暫定王者決定戦
昨年11月の再戦となるUFCウェルター級王者タイロン・ウッドリーとスティーブン・トンプソンは試合前から激しい舌戦 【Zuffa LLC】
UFCウェルター級チャンピオン、タイロン・ウッドリー(米国)が、ランキング1位のスティーブン・トンプソン(米国)を迎え撃つ防衛戦は、2016年のベストファイトの1つとも評された激戦の再戦となる。昨年11月のマディソン・スクエア・ガーデンで開催された「UFC205」で拳を合わせた際はドロー裁定により、ウッドリーが防衛を果たしている。
さらに、ライト級ランキング1位のハビブ・ヌルマゴメドフ(ダゲスタン共和国)と、ランキング2位のトニー・ファーガソン(米国)によるライト級暫定王者決定戦も組まれた。両者の対戦はすでに2年近くも取り沙汰されながら、お互いの負傷により試合が2度も流れた経緯がある。ファーガソンは現在9連勝中、ヌルマゴメドフはUFCで8連勝中と絶好調だ。ヌルマゴメドフが勝てばUFC史上初のロシア人チャンピオンが誕生することになる。
ドロー再戦のウッドリーとトンプソは激しい舌戦
番組司会者から、前回の試合は自分が勝っていたと考えているかと問われたウッドリーは「いや、オレが勝っていたと思っているのは彼(トンプソン)の方だよ。試合後の表情からも明らかだったじゃないか。フィニッシュ寸前のダメージを与えたのもこちらだけだ。彼はリマッチのチャンスを与えてもらうことが当然のように思っているようだけど、何か勘違いをしているのではないのか」とコメント。
これに対し、トンプソンはこう返す。
「ドローだった以上、まず自分と再戦をするのが本来だろう。前回の試合以降、オマエはマイケル・ビスピンだ、コナー・マクレガーだと他階級の選手を挑発してばかりいるけど、チャンピオンのくせに、ドローの結末でヨシと思うんだな」
前回の対戦では激戦の末、ドロー裁定によりウッドリーが防衛を果たしているが… 【Zuffa LLC】
さらに、「オレとしてはもう1つある。まるでトンプソンがチャンピオンであるかのようなプロモーションも気に入らなかった。全く失礼な話だ。なぜトンプソンがアメリカの国旗を持って入場するんだ? オレは外国人か? 何もかもがヤツ中心なんだ」と不満をこぼしたウッドリー。
司会者から今回の戦い方について聞かれたトンプソンは次のように答えている。
「前回の試合は必要以上に慎重になりすぎた。キックもあまり出さなかったし、アングルも変えなかったし、普段のようにはアグレッシブじゃなかった。ただ、彼の打撃をもらっても、判定まで持ち込むことができたわけだから、今回は躊躇(ちゅうちょ)しないで自分を出し切りたいと思う」
ヌルマゴメドフが勝てばUFC初のロシア人王者誕生
ヌルマゴメドフが勝てばUFC史上初のロシア人チャンピオンが誕生する 【Zuffa LLC】
ヌルマゴメドフ「前回のマイケル・ジョンソン戦で、俺はキムラで一本勝ちを収めた。あの時、腕を折ろうと思えば折れたんだけど、ケガをさせたくなかったから、注意深くゆっくりと極(き)めたんだ。もう勝負はついていたからね。でも、ファーガソンの腕を取ったら、腕を折ってやる。そう、フランク・ミアがアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの腕を折ったように。俺はファーガソンのメンツを潰し、リスペクトという言葉の意味を教えてやろうと思う」
ファーガソン「オレはかつて試合で腕を折られて、その腕で相手をノックアウトしてやったことがある。ヤツがオレの腕を折ろうとしたら、オレはヤツを折かんしてやる。やってみればいい。ブラザー、やってみろよ。タダでは済まないぞ。腕がなくても、オレにはまだエルボーがあればヒザも残っているんだ。オレには生まれたばかりの子どもがいる。子どもを抱くためにも、腕には触らせない」
ヌルマゴメドフ「しっかりと稽古してこないと大変なことになる。彼はこれまで、ハファエル・ドス・アンジョス、エディソン・バルボザといったストライカーとばかり戦ってきている。だからテイクダウンディフェンスの練習も、寝かされた状態から立ち上がる練習も、パウンドを防御する練習もせずにすんでいたはずだ。でも俺は全くタイプが違う。あいつは俺の強さを理解できていない。レスリング系の選手と戦うと、彼はいつもボロを出す」
ファーガソン「決して軽く見るわけじゃないけど、オレのレスリングはおまえよりもずっと優れている。オレのレスリングはフリースタイルだから、おまえのレスリングとは別物だ。オレはおまえを真っ逆さまにして投げつけてやる」
ヌルマゴメドフ「UFCからハビブ戦を打診された時、俺はオーケー、やろうじゃないかと即答した。でもトニーの方はUFCに『お願いだからもっとおカネをください』と嘆願したんだ。なぜだか分かるかい? それは、彼がこれが自分のラストファイトになることをよく知っているからだよ。3月5日、俺はおまえのキャリアにとどめを刺してやる」
ファーガソン「オレはおまえみたいに、何もかも与えられてここまで来たわけじゃない。自分の力とハードワークでのし上がってきた。今回もこれまでと同じように、目の前の敵をフィニッシュするだけだ。おまえを応援している190万人のロシア人は、ひどい気分を味わうことになる」
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