侍ジャパン、いよいよ本番モードへ突入 実戦を前に手応え語る則本と増井

中島大輔

ソフトバンク戦のスタメン発表

ブルペンで投球練習を見守る小久保監督(左から3人目) 【写真は共同】

 気温12度ながら晴天に恵まれて暖かかった2月24日、野球日本代表「侍ジャパン」の強化合宿2日目が行われた。メニューは投内連携やシートノック、フリーバッティングなどが実施されるなか、11日後に初戦を控えるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)本番モードに突入したことを感じさせる出来事が二つあった。

 その一つが練習後、小久保裕紀監督が25日に福岡ソフトバンクと行う練習試合のメンバーを発表したことだ。昨年11月の強化試合から試行錯誤されてきた打順を、いよいよ固めていく段階に入った。以下、ソフトバンク戦のスタメンだ。

1(DH)山田哲人
2(二)菊池涼介
3(遊)坂本勇人
4(左)筒香嘉智
5(一)中田翔
6(右)鈴木誠也
7(三)松田宣浩
8(捕)大野奨太
9(中)秋山翔吾

 青木宣親が合流後、上位打線は多少組み替えられるが、おおむねこのオーダーで戦っていくことになる。

試合の中で投手陣を見極めへ

 一方、投手陣はサバイバルレースに突入する。5試合の実戦を経て、誰が本番で重要な場面で起用されるのか、見極めが行われていく。そのチェックポイントについて、権藤博ピッチングコーチは二つ挙げた。

「(25日からの実戦で)ボールに慣れることと、バッターに向かっていく練習をやろうと思っている」

 2015年11月のプレミア12ではブルペンの役割分担ができておらず、準決勝の韓国戦ではそれが痛恨の敗戦を招いた。同じ轍を踏まないために、今回は中継ぎのスペシャリストが集められた。その投手陣の誰がWBC球をうまく操作し、重要な場面に送り出すことができるか。ブルペンの配置や起用法が、本番で勝ち上がるための最重要項目と言っても過言ではない。

 中継ぎ陣の起用法について、権藤コーチはこう語った。

「これだけのメンバーをそろえているわけですから、とにかくどんどん突っ込んでいくしかない。そのための練習試合ですからね。左、右とか関係なく、予定している6、7人を全部使えるように。ブルペンではいくら投げても知れているし、相手とやってみないと(誰が本番で使えるか)わからない」

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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