初日から力強かった牧田のブルペン 侍ジャパン合宿が強風の中スタート
平日ながら5440人の観客
小久保監督も称賛した牧田は合宿初日から力強いストレートを投げ込んだ 【写真は共同】
2大会ぶりの世界一を目指し、侍ジャパンがいよいよ本番に向けて始動した。小久保裕紀監督が選手たちに求めたのは、“二段構えの準備”だ。
「3月7日の開幕に合わせて、もちろんこの合宿は大切な時期になります。それと同時に、選手たちには143試合戦う(プロ野球の)ペナントレースがある。練習量を落とす選手は落としていいんですけど、やらないといけない選手は練習量を落とさないように、裏方さん、コーチ陣を使ってやってくださいと話しました」
すでに自チームで春季キャンプを20日以上すごした選手たちは実戦を迎えられるくらいのコンディションにあり、WBC本番に向けた調整は各自に任されている。侍ジャパンの強化合宿初日はウォーミングアップの後、投内連携やシートノックなど軽めのメニューに終わるなか、特に精力的に動いたのがブルペン陣だった。
「感触的には今年一番」だった牧田
「ほかのピッチャー陣と見ていたんですけど、独特の軌道でした。スピードガン以上に速く感じますね。いいボールを投げるなと思いました」
一部報道でブルペンのマウンドがWBC本番と同じ硬さに整備されると伝えられたが、この日は水をまきすぎたせいか、武田によれば「日本と同じような感じ」だった。実際、牧田も1度足を滑らせている。それでも34球、アンダースローから力のある真っすぐ、カーブをしっかり投げていた。
「思ったところに投げられたし、カーブも思ったより投げられたので、感触的には今年一番です」
培ってきた経験をチームメイトに還元
牧田はそうした役割をこなすことに加え、培ってきた経験をチームメイトに還元しようと考えている。
「ボールをどういうふうにこねるかとか、汗を手に馴染ませるとか、ロジンをしっかり使うとか、情報交換してやっています。前回大会ではサンフランシスコの球場で、2人しかブルペンで投げられなかったんですよ。ブルペンの横に待機所がなく、ベンチから行く形だったので、投げる人しか行けなかった。その辺の準備が、中継ぎ陣の一番難しいところかなと思います」
宮西、秋吉は緊急登板への準備
北海道日本ハムのブルペンを支える宮西尚生は、シーズン中とは異なる調整法でWBCに臨むつもりだ。長いペナントレースを乗り切るため、日本ハムでは1試合に2度までしかブルペンで肩をつくらない。しかし、超短期決戦の今回は、何度でも登板準備を繰り返す覚悟を固めている。
「いつでも行く準備をしておくのが僕ら選手の役目なので。『今、行けるか』と言われて、『すぐ行けます』と言えるような準備をしておかないといけないと思っています」
合宿初日、34球を投げた秋吉はこう話した。
「普段のブルペンでは30球も投げないくらいです。今日は納得いく感じで終われました。しっかり狙って、インコース、アウトコースに投げられたので、(予定より早く)やめました。中継ぎなので球数を増やしたらダメだし、連投も考えないといけない。少なめの球数でいい状態に持っていってゲームに入れるというのは、いつものパターンです」
小久保監督の嶋への変わらぬ信頼
本番までまだ10日以上もあり、合宿初日は選手たちの間に張り詰めた緊張のようなものはまだ漂っていなかった。自分のペースで調整しながら、3月7日のキューバ戦に合わせてどこまでコンディションを上げられるか。それぞれの準備が、世界一奪還への最大のポイントになる。
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