藤浪が目指すWBCの頂点 「まずは勝ちたい、そして吸収したい」

週刊ベースボールONLINE

与えられた役割をしっかりと

「WBCで最高のパフォーマンスができるように、今は体を仕上げていくだけ」と語るように調整を進めてきた 【BBM】

――報道では侍ジャパンの中で第2先発とも言われています。

 実は何も言われていません。現在のところ紅白戦、対外試合でも2イニングしか投げていないので、先発で投げても、途中から投げても同じ感覚でマウンドに立っています。もし5イニングを投げるときなどは先発のほうがいいな(2月19日の北海道日本ハム戦では先発)、とは思いますが、そこも含め、今はとにかく仕上がりをしっかりしていくことだけを考えています。チームに『中継ぎの場面で投げさせてください』とは言っていないんです。

――では、小久保裕紀監督からは役割の話はまだないんですね?

 はい、まだ言われていません。与えられたポジションでしっかりと仕事をしたいとだけ思っています。先発をやりたい、などのわがままは言うつもりはまったくありませんから。

――しかし、シーズンを考えると、役割いかんでは、どうしても投げるイニング数が開幕まで足りないということが出てくるかもしれません。

 どこまで大会の中で投げるのか分からないですよね。でも、強化合宿の前に、阪神のキャンプで5イニングを投げてから行くので……どうでしょう。あとは大会期間中の試合の流れで、仕方ないな、という部分は出てくるかもしれないですね。でもまずはWBCに全力を傾けて、終わってから、開幕まで1度、どこかで投げさせてもらえたら、という感じは持っています。毎年200イニング登板は目標にしていますので、それができればいろいろな数字がついてくると思います。

――シーズン目標を達成するには球数を少なくする必要があります。

 そうですね。そのためにはWBCでも、有利なカウントを作っていくことが大事だと思います。ツーシームなども有効に使えれば、1球で打たせて簡単にイニングが終わる可能性もあります。ただ、曲がらなかった場合には、ただの棒球になってかなり危険なボールになります。そこは気をつけたいです。ツーシームに関しては気安く使えない球種ではあるんですよ。

――WBC球でのツーシームの曲がりの感覚はいかがですか?

 どこに行くか分からないということはないですが、よく曲がるなと感じています。

勉強の場としての侍ジャパン

――実際に対戦したいという国はあるのでしょうか?

 ないです! 侍ジャパンが勝てればそれでいいと思っています。チームのために勝ちたいと思っていますし、そのためにWBCで最高のパフォーマンスができるように、今は体を仕上げていくだけです。まずは勝ちたいです。そして一流の選手たちの集まりですから、いろいろなことを吸収したいですし、いままでにない緊張感から学ぶことも多いでしょうね。

――学ぶという意味では、代表に行くと栄養学の面やサプリメントの面が充実しています。

 もともと代表に入る前からそういう栄養学的なことにはすごく興味がありました。以前の強化試合で代表入りしたときには「プロテインバー」というのがありました。サプリメントを補給するときに、どの組み合わせがいいのか、ということを栄養士さんに聞けたので、さらに勉強になりました。そのときにはさすが代表だな、と思いました。今でも個人的にいろいろと考えながらやっています。

――高いレベルでの野球を学べる機会でもあり、それを享受しながら代表のために貢献する。

 試合の中でいいパフォーマンスは出したいですし、打者を抑えたいという気持ちは強いです。そしてもちろん優勝したい。だから日本代表が優勝するために、自分も貢献したいという気持ちが本当に強いです。

――あとはケガに注意して万全を期すだけですね?

 そこは常に気をつけていますし、小久保監督にもしっかり仕上げてくるように言われましたので、しっかり調整していきます。


≪取材・構成=椎屋博幸 写真=小山真司(インタビュー)、早浪章弘≫

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