予想難解の混戦フェブラリーS データが解く最有力馬はこの2頭!

JRA-VANデータラボ

前走川崎記念組の着順別成績

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 ここからは個別にステップレースを見ていく。まずは前走川崎記念組の取捨(表3参照)。1〜2着馬から勝ち馬が出てない点は気になるが、基本的には上位3着以内に好走していた馬からしか、ここでの好走馬は出てない。地方馬も混ざるG1なので、あまり大きく負けているわけにはいかないと考えるべきだろう。

前走東京大賞典組の着順別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて前走東京大賞典組を見ていく(表4参照)。こちらも前走着順に注目したい。川崎記念と同じように6着以下に敗れている場合はかなり厳しくなるが、5着以内であれば巻き返しは可能。着差としても1.0〜1.9秒負けていた馬が【0.2.1.3】となっており、大きく離されて負けていた馬でも軽視はできない。ただ、同組から勝ち馬は出てない点は注意だ。

前走チャンピオンズC(JCダート)組の着順別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて前走チャンピオンズC(旧JCダート)組を見ていく(表5参照)。こちらも前走着順に注目するのがわかりやすい。1〜2着馬が直行してくる例が多くなっているが、好走率はかなり高い。トランセンドやエスポワールシチーが、G1を2連勝する形となった。チャンピオンズC(旧JCダート)で3着以下だった馬の出走例はあまりないが、少し間隔があくことも含め、好材料とは言えないだろう。

前走根岸S組の着順別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後にG3の根岸S組を見ていく(表6参照)。こちらも前走着順が重要となっている。4着以下に敗れていた馬が巻き返した例はない。そして、前走1着馬に限れば【1.1.2.4】という成績。昨年優勝したモーニンを含め、過去10年では4頭が好走。07年は11番人気で根岸Sを制したビッググラスが、本番9番人気で3着。伏兵扱いされていた馬でも、好走を果たしており、東京の前哨戦を制することは、大きなプラス材料と考えるべきだろう。

 なお、根岸S3着から巻き返したのは、12年のテスタマッタのみ。同馬は過去にフェブラリーSで2着の実績があった。根岸S2着馬が【0.0.0.7】という成績であることから、基本的に根岸S組は勝ち馬にのみチャンスがあると考えたいところだ。また、東海S組に関しては今年勝ち馬が出ないため、傾向の分析は割愛させていただく。

今年のフェブラリーS出走予定馬

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

【結論】
 それでは今年のフェブラリーSを展望してみることにする。出走予定馬は表7の通り。冒頭にも少し述べたが、今年は東京大賞典勝ち馬アポロケンタッキー、チャンピオンズC2着馬アウォーディー、東海S勝ち馬グレンツェントの出走予定がない。その分、少しメンバーのレベルは落ちている。有力馬候補が減ることにもなり、予想が難しくなっている印象だ。

 昨年のチャンピオンズCを制したサウンドトゥルーは前走川崎記念で2着だが、格下馬のオールブラッシュに逃げ切りを許した。実績的にはもちろん上位だが、絶対的な王者ではない。マイル戦への対応や鞍上といった問題、さらには7歳という年齢も気になる。有力馬の1頭ではあるが、アタマからは狙いにくい。また、同組のケイティブレイブも実績馬だが、5着に敗れている点が大きな減点材料だ。

 前走東京大賞典組からはコパノリッキーとノンコノユメ。ともに前走は馬券圏内から外れ、勝ち馬から1秒以上離された。しかし、その点は過去の傾向から問題ないと判断したい。ただ、コパノリッキーは7歳馬。ノンコノユメは5歳馬。若いノンコノユメの方がチャンスは大きいと考えたい。

 前走チャンピオンズC組はゴールドドリームとモーニン。前者は若く武蔵野S2着馬。モーニンは昨年のフェブラリーS勝ち馬。ともに東京ダート1600mの実績は十分だ。ただ、チャンピオンズCの着順が悪い。巻き返しを期待するのは、危険だとみる。

 それならば前走根岸Sを勝利したカフジテイクに期待したい。追い込み一手ながらその決め手は強烈。マイル戦にも対応し、そしてG1でも通用するところをすでに見せている。昨年のモーニンのように勢いに乗り、一気にG1制覇を果たす可能性も十分あるとみたい。結論としてはノンコノユメとカフジテイクが最有力。次点でコパノリッキーとサウンドトゥルーが有力と見る。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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