侍J・青木宣親が考えるWBC制覇の道 「目の前を一つ一つ片付けていく」
イチローの決勝打は「スローモーション」
今大会唯一のメジャーリーガー・青木にかかる期待は大きい 【スポーツナビ】
第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝で侍ジャパンを頂点に導いたイチロー(当時マリナーズ/現マーリンズ)の快打。青木宣親(当時東京ヤクルト/現アストロズ)は次の次に回ってくる打席に備えながらも、思わず感情が高ぶったという。
「あの瞬間はスローモーションでした。イチローさんの打球が遅く見えて、一瞬止まったかのような感じ。あんなにスローに見えたのは他になかった。スローなわけはないけど、それぐらい打球の行方を佇みながら見ていたのを覚えています」
この大会のフィナーレを飾ったのはイチローだったが、全体を通して活躍したのは青木だった。全9試合で3番に名を連ねると、打率3割2分4厘、7打点の結果を残し、堂々のベストナイン受賞。日本が連覇を成し遂げる原動力となった。
2大会ぶりの参戦で求められる役割
09年の第2回WBCでは、イチローとともに大会連覇に貢献した 【Getty Images】
「もちろん中心としてやりたい気持ちはありますよ。小久保(裕紀)監督からも伝えられましたが、気づいたことがあったら周りに言っていこうと思っている。ただ、力のある選手ばかりだし、その辺のバランスは取っていきたいです」
35歳となった青木は今大会のメンバー最年長にあたり、リーダーかつバランサーの自覚を持つ。同じく年長組で代表常連の内川聖一、松田宣浩(ともに福岡ソフトバンク)や嶋基宏(東北楽天)らが盛り上げつつも、要所要所で青木の“生きた”アドバイスがチームの結束を促しそうだ。