大谷翔平で考えるスーパースターの条件 型破りが型を破るのを応援しよう!

カネシゲタカシ
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いろいろ大変そうだった『アメトーーク!』 【イラスト:カネシゲタカシ】

 昨年好評を博した「カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』」が、スポーツナビアプリ限定コラムとして復活です。2月は毎週火曜日に掲載予定です。

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「大谷翔平、WBCを欠場へ」。ファンにとっても残念なニュースでしたが、大会を貴重なコンテンツとして盛り上げたいマスコミ業界にも激震が走りました。

 最初の“犠牲者”となったのは5日に放送された『日曜もアメトーーク!』(テレビ朝日)。テーマは「大谷翔平スゴイぞ芸人」で、当然WBCへの機運を高めるための大谷特集だったはずが、間の悪いことに放送直前に大谷の欠場が決定……。

 僕もオンエアを見ましたが、過去のWBCの栄光にも、もうひとつの“えいこう”にも一切触れずに番組を成立させる、テレビマンたちの匠の技を見せつけられた思いで逆に清々しかったです。

 しかし大谷欠場だけでなぜここまで大騒ぎになるのか。それは彼が並みのスターではなく、現在の日本プロ野球で唯一の“スーパースター”だからです。

スーパースターの条件は?

 大谷翔平がスターであることに誰も異論はないでしょう。しかしそのスケールの大きさを考えるには「そもそもスターとは何か」について論考する必要があります。

 まずプロ野球界における「スターの条件」を考えてみましょう。最重要視すべきは【個性】と【実績】です。まずはこの2本をグラフの軸にして野球界を代表するスター選手を分類してみました。

カネシゲタカシが考えるプロ野球におけるスター選手の分類 【イラスト:カネシゲタカシ】

 タテ軸の【実績】はその名の通り選手としての実績。ヨコ軸の【個性】は「性格」だけでなく「プレースタイル」も加味して判断しました。この【実績】と【個性】の2要素が突出している人間が「スーパースター」と呼ばれます。「国民的スター」と言い換えてもいいでしょう。

 僕の見立てでは以下の4人がそれに当てはまります。

・王貞治(本塁打世界記録保持者)
・イチロー(世界の安打製造機)
・野茂英雄(メジャー挑戦のパイオニア)
・長嶋茂雄(ミスタープロ野球)

 この4人は【実績】はもちろんのこと【個性】においても一時代を築いた選手たちです。イチローや長嶋茂雄は“語録”が作られるほど言動がユニークですし、一本足打法(王貞治)やトルネード投法(野茂英雄)など、誰もが真似したくなるようなプレースタイルを持った選手もそれだけで個性的といえます。
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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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