楽天・茂木栄五郎が1年目で感じた壁 一流選手を目指し、がむしゃらに

週刊ベースボールONLINE

2年目を迎える楽天・茂木。今季も全力で駆け抜ける 【写真=BBM】

 東北楽天・茂木栄五郎は、チームの課題の一つであった遊撃のレギュラーに名乗りを上げた。1年目の昨季は117試合に出場し、打率2割7分8厘。結果を残しながらも「ふがいない」という言葉を繰り返す。梨田昌孝監督が「将来の中心選手に」と期待するほどの若武者に“満足”という言葉はまだまだ出てきそうにない。2年目を迎えるにあたり、どんな心境を抱いているのか。

銀次を参考に“良いとこどり”

――プロに入って初めてのオフを終えて、いかがでしたか。

 正直、あっという間でした。11月後半くらいに全体での練習が終わったのですが、球団の行事だったり、野球教室などにも参加させていただいていたので、体を休められた期間というのは短く、「もうキャンプインか」という感じです。ただ、内容の濃い自主トレをさせていただきました。

――自主トレはチームメートである銀次選手らと一緒に行いました。

 銀次さんとは打撃スタイルが違うのですが、その中でもバッティングの技術はもちろん、僕に足りないものも銀次さんの打撃などを見てすごく勉強にさせてもらいました。

――足りないものとは。

 僕は自分の打席やプレーに対して納得いかないことが多くて、それが次のプレーに影響してしまうこともあります。能力の前に、自分の気持ちの浮き沈みでミスしてしまった打席が思ったよりも多かったんです。そこを改善していかないとシーズンを通して打つことは難しくなると思いますし、打率の波も減らない。一流の選手にはなれないなと。

――キャンプ、シーズンでは気持ちの面でも勉強をしていく。

 そうですね。ただ、野球を始めたときからそこはずっと課題でした……。自分でも分かっているんですけど、でもやっぱり打てなかったら悔しいですし、態度に出てしまう。そこも、プロで活躍するためには乗り越えなければいけない壁です。

――銀次選手とバッティングスタイルが違うとのことですが、どういったところに違いを感じていますか。

 銀次さんはしなやかさの中に強さがあるんです。バットコントロールにすごく長けていて、その中で飛ばす技術、状況に応じた打撃ができます。一方、僕の場合は、自分の強く振れるコースに来たボールを強くたたくことだけを意識しているというか……。力任せとまではいきませんが、思い切り振るという感じで。

――バットコントロールというより、打席の中でしっかり振ることを意識している。

 そこは自分の持ち味でもありますが、でもやっぱり追い込まれたら柔軟に対応していかないといけないので、そのときは銀次さんのように、どのコースに来てもヒットにできるようになりたいですね。“良いとこどり”になってしまいますけど、そういった選手になりたいなと思って、銀次さんのバッティングを参考にさせてもらっています。

遊撃を守り続けて感じたこと

慣れない遊撃のポジションを守ったが、二塁を守る藤田のアドバイスもあり、成長を見せている 【写真=BBM】

――2016年を振り返り、ご自身の中で見えた課題や収穫を教えてください。

 開幕も含め多くの試合にスタメンで使っていただきました。ただ、そういった中でチームも5位で終わりましたし、個人的にも守備でも打撃でも内容には全然満足していないです。

――守備では、これまでの三塁ではなく、遊撃での起用でした。プロで1年間遊撃を守ってみて、感じたことはありますか。

 僕は打撃を評価していただいてプロに入れたと思っているので、正直、守備では苦労するんだろうなとは思っていたんです。サードを守っていたときでも苦労があったのに、ショートだったらどんな苦労をするんだろうと。でも想像以上でしたね。捕って投げるだけでも相当な苦労があったんですけど、バッテリーとの連携を取ったり、セカンドの藤田(一也)さんと連携を取ったりもありますし、サードは今江(年晶)さんだったり、ウィーラーだったりと、いろんな人が守る中でプレーしなくてはいけない。外野との連携役でもありますから、覚えることがたくさんありました。

――サードのとき以上に連携プレーで苦労したんですね。

 もちろん技術面でも覚えることばかりでした。ただ、ショートを始めたばかりなので、まだ分からないことだらけです。これからも3年、4年と勉強のシーズンが続くんじゃないかなと思っています。

――ショートを任されることになったとき、まず誰をイメージしたのでしょうか。

 それはもう一人しかいないです。松井稼頭央さんしかいません。

――チームメートとして、ともにプレーすることになりました。直接聞く機会はあったのでしょうか。

 どんどん聞いたほうがいいと思ってはいるんですけど……。憧れの存在、という気持ちが強く、なかなか聞くことはできませんでした。このキャンプからは、疑問に思っていることを聞いてみたいなあとは思っています。なんとか勇気を出して、うまくなるために。

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