「手打ち」克服は下半身の動きがコツ プロのスイング、ここを真似すべし!【石川遼編】

吉田洋一郎
 世界中のゴルフスイング理論を直接学び、研究する。そんな先の見えない活動を初めて5年。やっとスイング理論を語れるレベルとなった今、ゴルフスイングコンサルタントとして、今まで得た知識をトッププロのスイングを通してお伝えしていきます。

モデルチェンジした石川遼選手のスイング

日本の中では突出した才能を持つ石川遼選手。ただPGAツアーではまだ、思うような結果が出せていない状況だ 【Getty Images】

 15歳で初めて出たレギュラーツアーで優勝する――。

 そんなマンガでも描けないようなことを成し遂げた石川遼選手。間違いなく彼は日本では天才の中の天才だ。

 日本の中で突出した才能を持つが、世界中の選ばれし者が集まるPGAツアーでは思うような結果が残せていない。

 なぜ石川選手はPGAツアーで活躍できないのか?

 その問いの答えを求めて、毎年、石川選手のスイングの観察を続けている。

 今年は2017年のPGAツアー初戦、カリフォルニア州PGAウエスト・TPCスタジアムコースで開催された「キャリアビルダー・チャレンジ」に足を運んだ。

 ドライビングレンジで球を打つ石川選手のスイングは、大きくモデルチェンジしていた。

石川選手のスイングがモデルチェンジした様子。そのポイントは? 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

 今までは下半身の動きが多い「飛距離重視スイング」から、フェースローテーションを抑えた「方向性重視スイング」に変わっていた。

 今まではダウンスイングで下半身の目標方向への動きが多すぎたため、クラブが振り遅れてミスになる傾向があった。それを防ぐためにフェードの動きを取り入れていた。

 ダウンスイングでは下半身の目標側へのスライドが少なくなり、回転量が多くなっていた。そして、振り遅れを防ぐため、常にヘッドを手元より外にキープする素振りで入念に軌道を確認しながら、フェードを打っていた。

 目標方向へのスライドが少なくなるフェードへのスイング改造で方向性は安定するだろう。スイングが定着するまで時間がかかるかもしれないが、このスイングモデルで戦えばPGAツアーで良い結果に結びはずだ。

手打ちを防ぐには「下半身始動ダウンスイング」がポイント

 アマチュアの方の多くは、手でクラブを振っている、いわゆる「手打ち」が多い。

 特にダウンスイングの初期に手でクラブを振り下ろすことでアウトサイド・イン軌道となり、ボールをこすった飛ばないスライスになる。

 そんなスライサーは石川遼選手の従来のスイング特徴である、「下半身から始動するダウンスイングの動き」を参考にすると良い。



 ダウンスイングを下半身から始動することでクラブがインサイドから下りやすくなり、ドローを打ちやすくなる。

 この時、注意したいのが力を加えるのは目標方向ではないということだ。目標方向へのスライドではなく、地面方向に力を加えることが大事になる。そのためにヒールアップをして左足かかとを踏み込むことでダウンスイングを開始してみてほしい。手の力が抜けて、楽にインサイドからクラブが振れるようになればもっとゴルフが楽しくなるだろう。
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著者プロフィール

シングルプレーヤーを目標達成に導くゴルフスイングコンサルタント。世界で最も有名なゴルフインストラクター、デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回ゴルフ先進国アメリカやヨーロッパに渡り、PGAツアー選手を指導する一流インストラクターに直接学ぶなど、心技体のゴルフ最新理論に関する情報収集と研究活動を行っている。実際に教えを受けた著名ゴルフインストラクターの数は100名を超える。監修した書籍「ゴルフのきほん」は30,000部のロングセラー。ゴルフ雑誌、スポーツ新聞にて連載を3つ持ち、世界のゴルフティーチングに関する情報発信を行っている。

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