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工藤監督の契約延長で若手育成に加速
ソフトバンクキャンプで注目の若鷹は?

定評のある投手育成の手腕

2019年まで契約延長したソフトバンクの工藤監督
2019年まで契約延長したソフトバンクの工藤監督【写真は共同】

 異例の発表だった。まだ春季キャンプ前だというのに、福岡ソフトバンクから大ニュースが流れてきたのは1月20日のことだった。


 工藤公康監督との契約延長。


 2015年シーズンに就任した際に3年契約を結んでいた。そのため今季は契約最終年となるはずだったが、新たに契約を結び直し、今季からの3年間で合意したという。つまり19年までは「工藤ホークス」で戦うことが決まったわけだ。


 その事実を知ったある若手投手は悲鳴を上げた。


 気持ちは分からなくもない。工藤監督のもと特に若手投手陣は、かなり厳しいトレーニングを課せられてきた。キャンプ中の「工藤塾」はすっかり有名だが、シーズン中もそれは同じだった。通常与えられる先発登板2日後の休日は返上。「日々のトレーニングを思えば、試合でマウンドに立っている時間が一番ラク」という声も聞かれた。


 ただ、その成果は確かだった。武田翔太は工藤監督就任以来2年連続2桁勝利をマーク。千賀滉大は昨年先発で12勝3敗、防御率2.61の成績を残し、今年3月のWBCに出場する侍ジャパンメンバーに選ばれた。アマ時代に絶対的高評価を得ていた東浜巨も昨年9勝を挙げてようやく一本立ちした感がある。


 若手投手の育成力は、契約延長にあたって球団が大きく評価した点だ。また、初戦度はシーズン90勝で日本一。昨季は最大11.5差をひっくり返される歴史的V逸を喫したが、それでも83勝をマークしてみせた。さらにコンディショニングを常に注視。その点でいえば、選手ではないが、昨年途中からは打撃投手にも「トレーナーからしっかりケアしてもらうように」と指示が出された。裏方スタッフにそのような声掛けをするのは異例。打撃投手の帆足和幸は「ほかの監督ではあり得ないと思いますよ」と話していた。

3年先を見据えたチームづくりへ

 とはいうものの、この時期の契約延長には賛否両論ある。昨季のように今季も大失速をしたり、それどころか開幕から低迷が続いたりした場合はどうするんだといぶかる声も少なくない。


 では、この時期に「契約延長」をする意味とは何か。


 おそらく、今季のソフトバンクは、若手選手がより積極起用されるだろう。


 ファンは数年先の未来まで頭に描いて好き勝手に論じるが、現場はそんなわけにいかない。単年契約ならば目先の結果で評価をされる。言い換えれば自分の人生がかかっているわけだ。そうなれば、先を見越して新戦力を育てるよりも、計算が立ちやすい現有戦力を優先したくなるのが人情というものだ。


 だが、工藤監督は今回の一件で、少なくとも3年先を見据えたチームづくりに集中して着手することができる。一気に世代交代が進むのではないか。


 それを踏まえた上で、2月1日から始まる宮崎春季キャンプの注目選手を挙げていきたい。

田尻耕太郎
田尻耕太郎

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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