- スポーツナビ
- 2017年1月31日(火) 11:00
人間力を鍛えるアリゾナキャンプ

――1軍は今年もアリゾナでキャンプを張ります。米国キャンプのメリットとは?
冷静に考えるとメリットはそんなにないと思います。海外で不便だし、グラウンドも良くないし、食事もそんなに合わないかもしれない。環境は日本のほうがいいに決まっている。でも、あえてそういうところでキャンプを経験させることが育成の一環であることを日本ハムは考えていると思います。野球だけではなく、ある意味人間力を鍛えるというか。
――日本ハムキャンプのどんな点が他球団とは違うのでしょうか?
大体、他球団から日本ハムに来た選手は「何だ、このチームは?」って最初は言いますよね。「何で勝てるのか分からない」って。キャンプでも「もう練習終わり?」みたいな。投手陣は「投げ込みをさせずに質の高い投球数だけを重ねなさい」「ゲームで与えられるであろうシチュエーションに合わせた練習をしなさい」という方針です。量や数でごまかすなというチームですよね。
逆に言えば自分のやりたい練習ができる時間がいっぱいあります。ルーティンの練習が終わったら自分からコーチをつかまえて、「この課題を一緒に解決したいからこういう練習をしたいんですけどどうですか」って。結果を出すためにどうするかをまずは自分で考える力をつけて、スタッフはそのための手伝いはするよという方針です。あのマネジメントは見事です。やったことない選手は最初は何をやっていいかわからないから戸惑うと思いますけどね。
大谷は打者として異次元

――野手の主力である陽岱鋼選手が巨人に移籍しました。2連覇へ向けて、陽選手の穴埋めが課題になります。
僕は陽岱鋼の代わりは、岡(大海)だと思っています。いろいろな打順を打ちましたが、そのすべてで結果を出してきたタフさはすごいです。
あとは、巨人から移籍してきた大田(泰示)も面白いですよね。日本ハムの野球を学んでブレークするかもしれないです。キャンプでカルチャーショックを受けるはずですが、その中でどうきっかけをつかめるか楽しみです。
――ダルビッシュ有(レンジャーズ)とトレーニングするなど話題になっていた大谷選手はどう見ていますか?
大谷を語ることは何一つないですよね。サラリーマン(江尻氏は引退後、解説者をやりながら営業マンとして仕事をこなす)をやっていて思うことはひとつ。大谷が二刀流でこんなに頑張っているんだから、オレももっと仕事を頑張ろうと思わされる魅力がありますよね。
投手陣の柱になるのは間違いないし、165キロは速いと思いますし、大谷の投球は当然すごいですよ。すごいんですけど、立ち上がりにバランスが合わないことがあったり……。これからもっと成長するかもしれないのでまだまだ分からないんですけど……。例えば阪神・藤川球児のストレートは異次元だったし、福岡ソフトバンク・和田毅があのストレートのスピードで空振りが取れるのも異次元だし。それに比べると……現状で僕はバッター大谷が好きですね。彼のバッティングは異次元ですよ。
昨年一番ビックリしたのは、札幌ドームでの試合だったんですが、打った瞬間センターライナーかと思った打球が左中間フェンスの一番上にドンと直撃しました。解説の建山義紀さんも度肝を抜かれていましたからね。実況も普通のセンターライナーみたいな感覚で話していたら、打球が全然落ちない。あれは異次元でした。あとはヤフオクドームでの「1番・ピッチャー」大谷の先頭打者初球ホームラン! あれは最高でした。
ソフトバンクとの戦いは目が離せない
――最後に今季の日本ハムの期待感は?
対ソフトバンクがどうなるかですよね。ほかのチームを置き去りにするぐらいのライバル意識を持っている2球団があって、それぞれの毛色も違うのですごい楽しみですよね。
ソフトバンクはオフの補強は意外と静かだったじゃないですか。何で補強しないのかな、妙に静かだなと不思議な部分はあったんですけど、昨年のあの負け方で日本ハム対策を相当練っているんだろうなと思いますね。日本ハムもソフトバンクを分析して、ウイークポイントを突いてくるでしょうし、この戦い方は目が離せないですよ。

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