他球団も驚く日本ハムのキャンプ OB江尻慎太郎氏が語るその特長とは!?

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2連覇を狙う日本ハム、世界一奪還を目指すWBC侍ジャパン代表の4番として期待がかかる中田はファームの国頭キャンプに参加 【写真は共同】

 プロ野球にとってのお正月とも言うべき春季キャンプが2月1日から12球団一斉にスタートする。今年は3月にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)もあって、例年以上に盛り上がることは間違いない。今回は、昨年プロ野球史上に残る大逆転の末にリーグ優勝、そして10年ぶり3回目の日本一に輝いた北海道日本ハムのキャンプの見どころを、OBの江尻慎太郎氏に聞いた。移籍してきた選手が驚く日本ハムキャンプの特長とは!?

打球を上げたい中田の練習を見たい

侍ジャパンに選出された宮西。江尻氏は侍ジャパンにとって「大きな戦力になる」と太鼓判を押す 【写真は共同】

――江尻さんも取材に行かれるファームの国頭(くにがみ)キャンプですが、増井(浩俊)、宮西(尚生)、中田(翔)選手らWBCメンバーがいます。

 増井は昨シーズン抑えでダメで先発に転向して花開きました。でも、もともと先発がダメで抑えに行って、抑えに定着しました。どんな違いがあったのか、どんな意識をしたのか、知りたいですね。

 宮西は昨年、中継ぎやクローザーも務めて、単に左打者を抑えているだけのピッチャーではないですよね。どんな場面でも出て行けますから、WBCの本当の戦力だと思います。ただ、毎年50試合以上投げている宮西にとってWBCに選ばれることは長い目で見ればすべてプラスしかないですけど、今季だけを考えるとシーズン前からフル回転でチームとしては心配かもしれませんね……。

――3年連続100打点と勝負強さを発揮している4番の中田選手についてはどうですか?

 昨年は打球が上がらない、上がらないと自ら言うほど苦労していましたけど、一昨年30本塁打をクリアしたということが、自分自身に過剰な期待をかけすぎたのかもしれませんね。結果25本塁打と打点王を取っているわけですから、技術的な細かい所は僕にはわかりませんが、「勝手に相手が失投する」ぐらいに思っていれば良いんじゃないでしょうか? 日本ハムの走力なら、相手投手は勝手に失投してくれるはずですから。

斎藤に「この状況を楽しめ」とエール

早稲田大の後輩でもある斎藤には、「この状況を楽しめ」とエールを送る 【写真は共同】

――チームリーダーの田中(賢介)選手も国頭キャンプからスタートです。

 賢介の練習は守備練習にしても本当に質が高いです。若いころはその日のノック数はもちろんですけど、エラーした数をノートにつけていました。しかもジャッグルした数まで。それで、「ノートを見ていると、自分の生活サイクルをどう過ごしていけばいいかが分かってくるんです」って言っていました。そういった部分は、なかなか遠めに見ていても分からないことなので、一緒に練習する若手もこの機会に、より距離をつめて何かを学んでほしいですよね。

――国頭スタートと言えば、復活にかける武田(久)投手もいます。

 今シーズン、久がどういうボールを投げるのか興味あります。本人も当然自覚があるでしょうが、今年は崖っぷちだと思います。ただ、僕は、プロ野球選手がもうユニホームを脱がなければいけないとか崖っぷちになったときに一番美しい姿が見えてくると思っています。その姿にはいろいろな背負っているものが出てくるので。そういう選手は本当に注目したほうがいいですよ。

 斎藤(佑樹)にも去年会ったときに「プロ野球選手は崖っぷちになったときが一番美しいんだよ」って言ったんですけどね。斎藤なんか今のシチュエーションを楽しめばいいんじゃないかなと思います。自分自身は崖っぷちのどん底で、でも大谷(翔平)みたいな投手と一緒にプレーできて、マー君(田中将大/ヤンキース)と比較されて。こんな状況は今しか味わえないですから。そこで何を感じてマウンドに上がるかっていうのは楽しみですし、そこにドラマがありますよね。

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