ナダルに戻った全盛期の集中力=全豪テニス 女子は30代中盤の3人がベスト4入り
ラリー戦に引きずり込んだナダル
グランドスラムでは11大会ぶりのベスト4進出を果たしたナダル 【Getty Images】
ラオニッチにも、第2セットには大きなチャンスがあった。ともにブレークポイントがないままサービスキープで進んだ第10ゲーム、ナダルのサーブ。ラオニッチは3本のセットポイントをつかんだが、あと1本届かずタイブレークへ。ここでも先に3本のセットポイントがあったのだが、2本目に痛恨のダブルフォルトを犯し、逆にナダルに最初のセットポイントを決められた。
「試合前にコーチたちと話し、ベースラインから6、7メートル離れて立ち、それも状況を見て変えようと思った。ラオニッチにプレッシャーがかかっていると判断し、前で構えたのがよかった。でも、出たとこ勝負。いいパスが何本か出たが、あれはいい時に出るんだ」(ナダル)
ラオニッチは大会に入ってから風邪をひき、第2セットの途中ではタイムアウトをとって内転筋の手当てを受けている。いずれもプレーに影響はなかったと言うが、グランドスラムの長丁場では、蟻(あり)の一穴が勝負を決める。
日本ペアは史上初の快挙にあと一歩届かず
穂積絵莉(左)と加藤未唯組は昨年の全米覇者と熱戦を繰り広げたが、わずかに力及ばなかった 【Getty Images】
また、女子ダブルス準決勝に進んだ穂積絵莉(橋本総業)、加藤未唯(佐川印刷)のペアは、勝てば日本人ペアとしては史上初のグランドスラム決勝進出だったが、第2シードのベサニー・マテックサンズ(米国)/ルーシー・サファロバ(チェコ)組にフルセットの末に敗れた。
グランドスラム2年目の日本人ペアには難敵だった。マテックサンズはダブルスの世界ランキング1位で、サファロバとのペアで昨年の全米オープンも制しているスペシャリスト。だが、穂積と加藤は最後まで挑戦した。第1セットこそ2−6とあっさり奪われたが、第2セットは相手の穴をうまく突いた。ミス連発のサファロバを攻め、穂積が持ち前のパワーで揺さぶって加藤が勝負所を抑え第2セットを奪う。ファイナルセットの第1ゲーム、サファロバのサーブをブレークする展開に相手も浮き足立つ。日本ペアは、第2ゲームをブレークバックされ、第6ゲーム、疲れが見える加藤のサービスゲームをブレークされて先行されたものの、すぐに第7ゲームをブレークバック。4−4とした後の第9ゲームが惜しかった。30−40のブレークポイントで、サファロバのバックハンドがネットにかかりながら、コードボールでインに。2本のブレークポイントを逃すと、続く第10ゲームをラブゲームで落とし、ゲームセット。史上初の快挙まであとほんのわずか、届かなかった。
文:武田薫
全豪オープンテニス
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2017年1月16日(月)〜1月29日(日)
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