よみがえったナダルが新旧対決を制す 錦織、フェデラー撃破の鍵は集中力

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ナダル、長丁場の戦いで集中力を見せる

30歳のナダルは、若手有望株の19歳ズベレフを倒し4回戦進出 【写真:ロイター/アフロ】

 テニスの全豪オープン大会6日目、第1週土曜日昼の部としてはこれまでで最高の5万8355人の動員を集めた。ファンのお目当てとなる注目カードは、第9シードで30歳のラファエル・ナダル(スペイン)と19歳のアレキサンダー・ズベレフ(ドイツ)による新旧対決だ。

 男子シングルスは3回戦に30歳代が16人も残り、1977年の19人以来の珍しい記録。長かったロジャー・フェデラー(スイス)&ナダルの“2強時代”が終盤を迎え、余力を残したベテラン選手の厚い層を物語っている。一方のズベレフは若手の代表格。昨秋、世界ランク20位まで上り詰め、20位に入った男子選手としては2006年のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に次ぐ若さだった。

 ズベレフはドイツのハンブルク出身だが、両親はロシア人で、4回戦に勝ち進んだ兄のミーシャはロシア生まれ。198センチの長身と、長い四肢を思い切り使って、立ち上がりからナダルを苦しめた。角度のあるサービスもさることながら、ナダルのよく弾むスピンボールをムチのようにたたきつけ、左右前後、コートいっぱいに使うフルパワーの攻撃。ナダルは、第1セットの第1ゲームをいきなりブレークされてから反撃のチャンスをつかめず、そのまま先行された。

 ズベレフは、ナダルの左利きフォアハンドのクロスにも対応し、フォアハンドからは強烈な逆クロスをたたき込める。しかし、ナダルの持ち味である集中力には衰えが感じられない。思い切りがいい裏表で、ズベレフにミスが目立ったのはやはり若さだろう。第3セットのタイブレークを奪ってフルセットまで持ち込んだものの、セットが進むほどにミスが増え、大事な場面でのダブルフォルトもあった。

 4時間5分に及んだ長丁場、ファイナルセットには両脚が痙攣(けいれん)に襲われれば、ベテランは生き返る。5セットマッチが通算17勝8敗と強いナダルだが、このところは3連敗していた。復活を期した今大会、ここで若手ズベレフをフルセットで破った自信は大きいだろう。

快進撃のイストミンは初の4回戦進出

 そのほかでは、第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、第6シードのガエル・モンフィス(フランス)、第8シードのドミニク・ティエム(オーストリア)らに加え、2回戦でジョコビッチを倒したデニス・イストミン(ウズベキスタン)が再びフルセット勝利で全豪では初の4回戦進出を決めている。

 女子では第2シード、セリーナ・ウィリアムズ(米国)が同じ米国のニコル・ギブズを一蹴し、第9シードのジョアンナ・コンタ(イギリス)はキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)を破った。

錦織は今大会初のセンターコートでフェデラー戦

フェデラー戦を前に、チャンコーチらと軽く汗を流した錦織圭。勝敗の鍵は集中力か!? 【写真は共同】

 錦織圭(日清食品)とフェデラーの注目のシングルス4回戦は、22日(日)のナイトセッションの第1試合、現地時間午後7時(日本時間午後5時)から、センターコートのロッド・レーバーアリーナで行われる。

 ここまでの3試合、フェデラーがすべてセンターコートでプレーしたのに対し、錦織は今大会初のセンター。今年はサーフェスの状態がコートによって違うと言われ、センターコートは球速が速いとの声もある。

 フェデラーは35歳、半年間の休養明けとはいえ、サーブが大きな武器なだけに速いサーフェスは有利。トマーシュ・ベルディハ(チェコ)との3回戦ではファーストサーブから95%の確率でポイントを獲得している。錦織は3回戦でのコートが「180度違うくらいに遅かった」と話しており、コートサーフェスの緩急のギャップが気になる。今大会は日によって寒暖の差が激しく、22日は最高気温30度まで上がる予報。試合が始まる午後7時はまだ日も高く、暑さが残ることも気にかかるところだ。

 試合前日の錦織は、午後1時半からマイケル・チャン、ダンテ・ボッティーニ、両コーチと約1時間の確認練習で汗を流した。フェデラーも、ニック・キリオス(オーストラリア)を倒したアンドレアス・セッピ(イタリア)との練習を早めに切り上げ、練習後にはコートサイドで20分ほど、大勢のファンのサインや写真撮影に応じるサービスで余裕を見せていた。ランキングでは自身が上回っているとはいえ、錦織はチャレンジの気持ちで臨むはず。最後まで戦う集中力維持がカギになる。

文:武田薫

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